4月4日、中国公共外交(パブリックディプロマシー)協会主催の「中日著名メディア関係者対話会」が東京で開かれ、程永華駐日大使が出席しあいさつした。これには陳健・同協会常務理事・元駐日大使、劉晋・外交部新聞司(報道局)副司長、日本の大鷹正人外務副報道官、中日両国主要メディアの著名記者、オピニオンリーダーら50人余りが出席した。
程大使はあいさつの中で次のように表明した。メディアは中日両国市民が相手国を知る最も主要なルートだ。当面の中日関係を背景に、両国メディア間の交流を深め、相互理解を深めることの意義はとりわけ重要となっている。最新の世論調査では、両国市民の相手国に好感を持っていない割合がなお80%前後で、しかし両国の70%超の市民は中日関係の重要性を認識している。このような結果は一方で近年の中日関係全体の雰囲気の影響を受けており、同時に両国世論の環境とも緊密に関係している。日本のメディアの中国に関わる報道を見ると、近年二つの言葉が頻繁に現れている。一つは「爆買」、二つめは「対中包囲網」だ。この内的論理関係がなく、互いに全く関わりがないとさえ言える二つの言葉が各種報道で見られることは、第一に中日両国の往来が日増しに緊密になると同時に、政治、安全保障の相互信頼が著しく欠如しているという客観的現実を反映し、第二に急速に発展する中国を前にした日本の複雑な心理状態を映し出している。中国の対日世論の状況を見ると、日本側に歴史、海洋および安全保障政策の傾向など敏感な問題で、しばしば後ろ向きの動きがみられることは、必然的に中国メディアに注目され警戒を招いている。現在のこうした世論環境が表しているのは両国の国民感情の悪化だが、深いレベルではやはり相互理解の不足と相互信頼の欠如である。
程大使は次のように指摘した。中日両国は互いに重要な隣国だ。隣人は選ぶことができるが隣国は引っ越しできない。近年の両国関係のプラス、マイナス両面の経験・教訓は再三われわれに、中日は「和すれば共に利し、闘えば共に傷つく」、平和、友好、協力が双方の唯一の正しい選択だということを教えている。中日関係を非常に重視し、発展させる中国側の立場は変わっていない。双方が中日の四つの政治文書の原則と精神に従って、4項目の原則的共通認識を全面的に実行に移し、中日の第4の政治文書にある「互いを協力パートナーとし、互いに脅威とならず」「互いに相手方の平和的発展を支持する」というコンセンサスを確実に実行に移し、これを本当に両国社会の共通の認識にして、両国関係の持続的で安定した改善をはかるとともに、中日の戦略的互恵関係の発展をはかるよう希望している。
さらに、このほど参加した「両会(中国人民代表大会と人民政治協商会議)」の感想と合わせて中国の発展状況を次のように説明した。中国は現在「二つの百年(中国共産党創立100年までの小康社会完成と新中国成立100年までの近代化基本的実現)」の壮大な目標を中核とした「中国の夢」の実現を追求している。今年の全国人民代表大会で第13次5カ年計画(2016~20年)が採択されており、今後5年間、中国は一つめの百年の目標に向かって突き進む。強調すべきは、今後5年間であっても、さらに長い期間であっても、「中国の夢」の実現には平和安寧の外部環境が必要なことで、中国は平和、発展、協力、ウィンウィンの理念を徹底的に貫き、あくまでも平和の道を歩み、国際社会と共に、人類の平和と事業の発展のためにたゆまず努力していく。
程大使は次のように表明した。中日関係の改善・発展には各界有識者の関心と支持が欠かせない。在席の両国メディア関係者が本当に客観的、全面的、均衡の精神にのっとり、報道人の社会的責任と職業の良識を守って、中日関係を観察、報道し、両国の市民が相手国を正しく知り、理性的に認識するために前向きの役割を果たし、中日関係の持続的改善と発展のためにプラスのエネルギーを貯えるよう希望している。
陳元大使はあいさつで次のように表明した。メディアは両国市民の相互理解、意思疎通・交流の重要な架け橋として、両国の友好的共通認識の拡大、民間の実務協力推進の面で、なくてはならない役割を果たしている。今回の対話会のテーマは「両国の友好的共通認識の拡大、民間実務協力の推進」で、目的はメディアの役割を建設的に発揮させ、民間交流におけるメディアの役割を際立たせることだ。
陳元大使は両国のメディアに対し三点を提案した。一つめは民間の理性的で前向きの声を伝えること。中日関係の発展の主流と方向を正確に把握し、両国間に存在する食い違いを理性的に見守り、大きくせず、大げさにせず、誇張しない。客観的に報道して、雑音を抑え、不協和音による両国民間の友好の破壊や影響をさける。二つめは共通の関心にしっかりと焦点をあてること。現在、両国は共に経済構造の重大な調整に直面しており、双方は新たな情勢下で絶えず新しい協力分野とモデルを掘り起こし、互恵ウィンウィンの新たな原動力を探す必要がある。三つめは、両国のメディアは民間機関の場を借りて一層役割を発揮し、両国市民の相互理解を深め、民間友好の和やかな雰囲気を主体的につくり、守ることができる。
川村泰久外務報道官のあいさつを大鷹副報道官が代読した。日中関係は両国だけでなく、アジア太平洋地域、全世界にとって非常に重要で、安定的発展と同時に、絶えず前進させなければならない。先ごろ、岸田文雄外相が話したように、日本の発展は中国なくしては考えられず、中国の発展も日本なくしては考えられない。友好協力は双方にとって唯一の選択肢だ。日本政府は中国側とメディアなどの各分野の交流を積極的に強化し、両国関係の改善に一層力をつくすことを願っている。
対話会では,両国の主要メディアの著名な記者とオピニオンリーダーが「両国間の溝を乗り越え,共同の価値観を模索する」「グローバル化を背景とする中日の協力の必要性」「民間の協力強化による中日関係の改善の推進」の三つの議題をめぐって4時間近くにわたり,踏み込んだ,率直な意見交換を行い,会場は熱気につつまれていた。
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