温州医科大学付属第一病院健康・生殖センターが明かしたところでは、春節(旧正月。今年は2月8日)連休後、問い合わせや検査で同センターを訪れる夫婦が普段の2倍に上り、彼らの70%は第二子出産を出産したいゆえの来訪という。2人っ子政策が今年1月に実施されて以来、同センターでは、100組以上の夫婦が、数年前に凍結した受精卵を解凍して出産に臨む選択をしている。同院で解凍に成功した凍結受精卵のうち、保存期間が最長のものは10年に及ぶ。温州網が伝えた。
〇1カ月あまりで「眠っていた」受精卵100例が「覚醒」
四川省から温州に出稼ぎに来ている陳さんは、車で妻を迎えに行き温州に戻った。身ごもっている妻のために、陳さんは普段よりいっそう注意深く運転していた。陳さんは、「今年、私は38歳、妻は35歳になる。5年前、温州で体外受精技術によって女の子を出産した。その際、病院で複数の受精卵を凍結した」と話した。昨年、第2子出産が全面解禁となったことを知って、彼の妻は大変喜び、5年分の凍結保存費用の残額を全額病院に納めた。今年の元旦に政策が施行されると、妻は病院で胚移植手術を受けた。検査の結果、無事妊娠していることが判明、夫婦は喜びに包まれた。今は、新しい命の誕生を心待ちにする日々を過ごしている。
この1カ月あまり、同院健康・生殖センター実験室を訪れる陳さんのような夫婦は後を絶たない。実験室の関係者によると、2人っ子政策政策が施行されてから、凍結受精卵の解凍・胚移植手術が計100例あまりに上ったという。
これら100例あまりの解凍受精卵のうち、凍結した時期が最も古いものは2006年に遡り、保存期間が8年に及ぶものも2例ある。
幸いなことに、1月下旬、10年前に凍結された受精卵が、解凍後母親の子宮に戻され無事に着床し、母親は妊娠した。この妊婦は今年38歳、10年前に体外受精技術で子供を一人もうけた経歴がある。
この夫婦は、なぜ通常の妊娠を選ばず、10年前の凍結受精卵での妊娠を望んだのだろうか?同センターの黄学鋒・センター長は、「これらの夫婦は、加齢による生殖能力の低下のために、今の自分たちの精子と卵子の質が昔より落ちているに違いないと考えた。よって、10年前の受精卵で妊娠することを決めた」と説明した。
現在、同センター受精卵実験室の液体窒素缶には、合計3万例以上の受精卵が保管されている。これらの小さな命はいずれも、解凍後母親の子宮内に戻されて育つ可能性を持っている。
黄センター長は、「これから、病院では受精卵解凍のピーク期を迎えるだろう」との見通しを示した。
〇凍結保存された受精卵の質が劣っている証拠は現時点で皆無
マイナス196℃という極低温の環境下で、凍結受精卵はどのくらいの期間保管することができるのだろうか?専門家は、「ある国では、保管期間を10年までと定めている。だが、理論上では、マイナス196℃という条件を保てば、無期限に保管することが可能だ」と指摘した。
極めて厳格な(受精卵の)篩い分けシステムが設けられていることから、解凍受精卵を用いた体外受精(試験管ベビー)技術による成功率(着床率)は、今のところ、新鮮な受精卵の着床率より少し低いレベルを保っている。専門家は、「凍結受精卵を用いて妊娠、出産した子供が、知力、体力、健康レベルの各面で、新鮮な受精卵による普通の妊娠・出産で生まれた子供より劣っているという証拠は、今のところ見つかっていない」としている。「人民網日本語版」より
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