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二時間目 <北京暮らし>シリーズ:日本人のお気に入り 第7回 民国時代の旧政府跡

2016-02-29 17:59:30     cri    

 今年から月曜日の2時間目には、「北京暮らし」のシリーズ番組として、中国在住の日本人が北京のお気に入りスポットや物にまつわるエピソードなどを取り上げてご紹介します。7回目は日本の若手小説家横山悠太さんのお気に入りスポット、時代の狭間に取り残された異空間、民国の旧政府跡に迫ります。

 北京の地下鉄5号線の張自忠路駅の出口Aから西へ50メートルぐらい向かうと、辺りの景観の中でひときわ異彩を放つ重厚で壮麗な西洋建築が目に入ります。この建物こそ、百年の風雨と世の変転を経て今に残る中華民国時代の歴史的建築物、段祺瑞執政府跡です。もともとは清の第4代皇帝・康煕帝の第9皇子の邸宅・恭親王府と第5代皇帝・雍正帝の第5子・和親王の王府がありました。しかし1906年、北洋政府陸海軍部の建物を作るため、東側にあった和親王府と西側にあった恭親王府が取り壊され、新しく2組の西洋式レンガと木造の建造物が建てられました。その後、1912年、袁世凱が中華民国臨時大統領に就任した際、総統府と国務院がここに置かれ、1924年の第2次直奉戦争の後に段祺瑞執政府に転用されました。さらに、抗日戦争の時、日本の華北駐屯軍総司令部が置かれました。

 いま、この3階建ての美しい古典ヨーロッパ式の建築物はクリエーターの創作意欲を大いに刺激するのか、ここで多くのドラマや映画が撮影されています。特に、中国映画ファンにとって馴染み深いのは姜文(ジャン・ウェン)監督のデビュー作『太陽の少年』。主人公の少年が他人の部屋にこっそりと入り込み、住人の美しい少女と鉢合わせになるシーンの舞台となったのがこの洋館でした。また、主人公の少年が洋館の屋根から屋根をつたって自由気ままに空中の散歩を楽しむシーンは映画の中の名シーンの一つです。この民国時代の旧政府跡を<北京暮らしのお気に入り>として推薦してくれたのは、デビュー作『吾輩ハ猫ニナル』で第57回群像新人文学賞を受賞すると同時に、第151回芥川(あくたがわ)賞候補にも選ばれた若手小説家の横山悠太さんです。

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