中国共産党がリードする多党協力と政治協商制度は中国の基本的な政治制度です。中国政治協商会議全国委員会は各民主党派や、人民団体、各民族及び各界の人々が政治に参加し、協力し合うための重要な場となっており、中国で最高位の協商諮問機関とされています。中国共産党と中国政府はこの機関を通じて、政治協商会議と重大な問題を協議し、意見と提言を聴取します。このほか政治協商会議は各参加党派と団体の代表が出席し、国家の政策方針を協議するほか、国家機関及び各機関の職員の職責履行を監督し、問題点を指摘することになっています。

　中国政治協商会議全国委員会の委員は、中国共産党や、各民主党派、人民団体、各少数民族などの社会各界の代表で構成され、香港特別行政区、マカオ特別行政区及び台湾同胞も含まれています。

　政治協商会議では、異なる意見が自由に述べられ、政治協商委員の民主的権利が十分に保護されています。また多党協力の重要な場でもあり、国家を率いる中国共産党は8つの民主党派と同様に、政治協商会議を構成している党の一つです。各民主党派は政党の名義で意見を述べ、様々な形で政治に参加することができます。

　政治協商会議の規則によると、委員は政府に対し様々な形で民主的な監督を行い、各民族や各界の人々の意見を表すことができます。そのうち、最も直接的かつ効果的なのは、国家の政策方針や、社会生活の重大問題について提案することです。政治協商会議の委員は個人か連名の形で提案し、各加盟党派や、人民団体は自分の党派あるいは団体の名義で提案することができます。また、政治協商会議の各専門委員会は所属する専門委員会の名義で提案を出すことができます。

　これらの提案は政治協商会議から政府の関係部門に提出され、提案を受け入れる各部門は必ず規定の時間内に、その処理状況を政治協商会議に報告しなければなりません。これまでの提案の多くが中国政府の政策方針に直接反映されています。

　中国では、政治協商会議は「シンクタンク」とも呼ばれています。政治協商会議の委員は、各分野の専門家や、学者らが努めています。これらの専門家は異なる角度から中国の発展のために積極的に提案し、多くの意見が中国政府に採用され、中国経済の発展と社会の進歩に大きく貢献しています。