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1時間目:世界無形文化遺産・新疆のムカーム
ムカームという音楽は、中央・南・西アジア、北アフリカの19の国と地区に存在します。中国では、西域のウイグル族を中心とした各民族の間に生まれた、イスラム文化の影響を受けた音楽芸術の様式と言えます。
ムカームの内容は、哲人の箴言、文人の詩作、先人の訓戒、民話などさまざまで、ウイグル族の人々の生活と社会の様相を反映する百科事典でもあります。
ムカームの原形は、古くはウイグル族の祖先が、まだ猟や放牧生活を営んでいた時代に山間部や草原・平原地帯で生まれた即興で感情を表現する歌です。
16世紀、偉大なウイグル族の女性アマンニサ・ハン(1533~1567年)は、新疆のヤルカンドを都とするヤルカンド・ハン国(1514~1680年)の王妃になりました。この時、多くの楽師を集め、ムカームに関する大規模な整理作業を行い、その系統化や規範化を実現しました。19世紀、これらのムカームは次第に1曲の組曲の演奏時間が約2時間の12の組曲にまとめられました。その後、このムカームは12ムカームとも呼ばれるようになりました。
2005年には、このムカームが国連ユネスコの世界無形文化遺産に登録され、これをきっかけに、ムカームはさらに多くの人々に知られるようになりました。今後、この古代音楽は、新疆、中国、そして世界で伝えられていくことでしょう。
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