瀋陽特別軍事法廷陳列館の中での献奏
「鬼から人間へ 赦して下さい」、「中国の大地、再生の大地」…
29日朝、瀋陽にある日本人戦犯を裁いた特別軍事法廷陳列館のホールから、日本語の歌声が聞こえてきました。日本の「再生の大地合唱団」が歌う「認罪―鬼から人間へ―」と「赦しの裁き」という曲でした。28日深夜に瀋陽入りした団員と応援団の皆さん約50人が、最初に訪れた訪問地でのワンシーンです。
1950年、ソ連は新中国と締結した協定に従い、シベリアに抑留された67万人もの日本人のうち、中国で重い戦争犯罪を起こした約千人を中国に引き渡しました。その後、約5年間の撫順戦犯管理所での改造を経て、中国はその中の45人を起訴し、瀋陽と太原に設置された特別軍事法廷で裁判にかけました。瀋陽特別軍事法廷は1956年6月9日~7月20日まで、その中の36人ものB級戦犯の裁判を行いました。「再生の大地」は以上の日本人B級戦犯改造の歴史を芸術的に再現した合唱朗読構成(作詞:大門高子、作曲:安藤由布樹、全12曲)のタイトルです。
団長の姫田光義さんはインタビューに対して、「この歴史的意義の異なる場所でこれらの曲を歌うことができて、大変有意義なことだ」とし、これからも「侵略戦争と加害責任を自覚した平和と日中友好」という帰国した元戦犯が作った団体「中国帰還者連絡会」の信念と撫順で起きた「人類文明史上の奇跡」を受け継いでいくと話しました。
合唱団の一行はその後、瀋陽にある"九・一八"歴史博物館と撫順市郊外にある平頂山虐殺記念館をそれぞれ訪れました。また、30日には撫順戦犯管理所陳列館を訪れる予定です。
「再生の大地」合唱団は今年(2015年)は「歴史の転換期として極めて重要な年」だという認識の下、戦後70周年記念の一環として、「撫順の奇跡を受け継ぐ会」と共同で訪中を企画しました。9月2日までの6日間に、瀋陽や撫順のほか、北京では中日友好協会との交流会をおこないます。9月1日には国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局音楽ホールで初の北京公演を行います。その際、中国放送の友合唱団と中国で有名な歌手も同じステージに立ち、ともに「抗日戦争勝利70年」を記念する平和の歌などを披露します。(王小燕、トントン、ムーケン)
「九・一八」歴史博物館の範麗紅館長に平和を象徴する赦しの千羽鶴を手渡す(左:姫田団長、右:範館長)
姫田団長の指揮で、「前事不忘 後事之師」の歌声が博物館広場に鳴り響く
合唱団団員には、何度も訪れたことがある人も多い。写真は入口で、団員に挨拶する周学良館長
館内の様子
慰霊碑に献花と献奏
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