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一時間目、「ライフマガジン」と「北京暮らし」、虎ママと猫パパVS積水潭
<ライフマガジン>
話題1:TVドラマ「虎ママと猫パパ」をめぐる教育問題
話題2:ミラノ万博の中国企業連合館
<北京暮らし・北京の町巡り>
<北京暮らし>のシリーズコラム「北京の町巡り」でご紹介していきたいと思います。今回ご紹介するのは、北京市内で湖が一番多く集まっているところ、西にある「積水潭」です。
北京市内には、かつて6つの「海」、つまり人工の湖がありました。そのうち、北海、中海、南海、これら3つを合わせて太液池と言い、前海、後海、西海とその西北にあった太平湖を合わせて積水潭と呼んでいました。元の時代、食料を北方へ輸送するため、「通行」の「通」に「恵み」と書く「通惠河」、という運河が建設されました。その流れは、北京市内に大きな湖を作り出しました。これが積水潭で、運河の埠頭でもありました。昔、積水潭の水面は、広々と広がり、東西は1キロ、南北は十数キロもあり、それはまるで海のようでした。地下鉄2号線のご利用をお薦めします。「積水潭駅」で降りればすぐ着きますから。とても便利です。
二時間目 中国の現代詩人とその作品 第3回 席慕蓉
月曜日2の時間目、今月から新しい企画、中国の現代詩人とその作品にクローズアップしてお送りいたします。3回目は、台湾の女性詩人、席慕蓉とその作品についてご紹介します。
席慕蓉(シームーロン)は、1943年10月15日に中国四川省で生まれたモンゴル族の詩人で画家でもあります。1954年、11歳の時に両親に連れられて台湾に渡り、1963年、台湾師範大学芸術学部を卒業。翌年、ベルギーへ留学しました。1966年、ブリュッセルで画家として初めての個展を開催し、その後、世界各地を飛び回って芸術活動を続けていました。1981年、いよいよ詩人としてデビューし、デビュー作の詩集『七里香(七里の香り)』は台湾でベストセラーに輝き、またたく間に中国語圏で圧倒的な支持を集める女性詩人となりました。
モンゴルの王族にルーツを持つと言われ、その作品には、上品な表現で恋愛や青春、郷愁を謳うものが多く、女性詩人ならではの繊細さと、純粋で奥深い感性を持っています。詩集のほか、彼女はエッセイ集や絵本などこれまでに50冊以上を発表し、数々の名作を世に送り出しています。席慕蓉の詩は、「愛情への信仰を失いつつある現代人の生活に新風を吹き込んだ」と高く評価され、都市に生活する人々の共感を呼び、女性読者を中心に人気を呼んでいます。
「いつも女子オーラ満載のキラキラ輝くエレガントな女性」でいたいと思うなら、現実社会の煩わしさに負けずに夢を追いかけ、理想通りにならなくても、頑張っている瞬間は夢への一歩を踏み出しているなど、彼女の作品はどれも現代社会の働くウーマンにエールを送っています。
作品一:「一棵開花的樹(花を咲かせる木)」
思春期の少女のとても切ない片思いの気持ちを描いた恋の詩です。
<一棵开花的树> 如何让你遇见我 在我最美丽的时刻 为这 我已在佛前求了五百年 求佛让我们结一段尘缘 佛于是把我化做一棵树 长在你必经的路旁 阳光下 慎重地开满了花 朵朵都是我前世的盼望 当你走近 请你细听 那颤抖的叶 是我等待的热情 而当你终于无视地走过 在你身后落了一地的 朋友啊 那不是花瓣 那是我凋零的心。 『花を咲かせる木』 |
『花を咲かせる木』 どうしたら、あなたに出会えるのかしら 私の一番綺麗な年頃のうちに そのために 仏様の前で五百年も祈り続けた あなたと結ばれるために すると、仏様は私の姿を変えてくれた あなたがよく通りかかる道端に生える木に 光を浴びて こっそりと満開の花を咲かせる 花一つ一つに前世の願いを込めて あなたが通りかかる よく聞いて 揺れ動く木の葉の音は 私の待ち焦がれた情熱なのよ でも、あなたはそのまま過ぎ去る その後ろで落ちたのは ねぇ あなた 花びらじゃなくて 私の砕け散った心なのよ |
作品二:「十六歳的花季(花のような16歳)」
これは青春を描いた作品の一つで、またたく間に過ぎてしまった青春への懐かしい想いを語っています。25年ほど前の1990年代、この詩の影響を受けて、高校生の純粋な友情や恋心をクローズアップした同名のドラマ『十六歳的花季(花のような16歳)』が上海テレビ局により撮影されました。当時の中国では、高校生どころか、大学生の間でも恋愛は厳禁でした。ですから、思春期にある少年少女の初恋の気持ちを取り上げて描いているこのドラマは非常に大胆でした。すると、オンエアされるやいなや、中国全土で大ブレークしました。「十六歳の花は一回しか咲かない」という一句は、今でも、中国の高校生の卒業アルバムによく出てくるキャッチフレーズのようになっています。
<十六歳的花季> 在陌生的城市里醒来 唇间仍留着你的名字 爱人我已离你千万里 我也知道 十六岁的花季只开一次 但我仍在意裙裾的洁白 在意那一切被赞美的 被宠爱与抚慰的情怀 在意那金色的梦幻的网 替我挡住异域的风霜 爱原来是一种酒 饮了就化作思念 而在陌生的城市里 我夜夜举杯 遥向着十六岁的那一年 |
『花のような十六歳』 見知らぬ町で目覚めた 口をついて出てくるのは、あなたの名前 もうあなたとは遠く離れてしまった 分かっているの 16歳の花は一回しか咲かないことは それでも白い裾のスカートが好き すべての褒め言葉や 可愛がられたときの気持ちが好き 黄金色に染められた夢の網 異郷の風雨からまもってくれた 愛はお酒だったのね 飲めば、懐かしい想いが蘇る 見知らぬ町で 毎晩杯をかかげる 遥か十六歳のあの年のために |
作品三:「出塞曲(しゅっさいきょく)」
モンゴル族の席慕蓉はモンゴルの王族にルーツを持つとも言われますが、幼くして故郷を離れ台湾へ行きました。ですから、彼女の作品には故郷への気持ちを描いたものがとてもたくさんあります。繊細な少女の恋心を描く作品とはまったく異なり、郷愁を描く作品は騎馬民族ならではの凛々しさを備えています。
「塞ぐ」と書く「塞(Sai)」は中国語では、「険要の地、辺境の地」という意味です。昔は、中原地区に対して、万里の長城の外側、所謂モンゴル族などの騎馬民族、遊牧民族が暮らす草原地帯は「塞外」とも言います。「出塞」というのは「万里の長城の外側にある北方の草原に行く」という意味で、昔、これは外敵の侵入を防ぐため、「戦に行く」「出陣する」という意味も込められています。ですから、ここの「出塞曲」は、「出陣の歌」とも言えます。
<出塞曲> 请为我唱一首出塞曲 用那遗忘了的古老言语 请用美丽的颤音轻轻呼唤 我心中的大好河山 那只有长城外才有的景象 谁说出塞曲的调子太悲凉 如果你不爱听 那是因为 歌中没有你的渴望 而我们总是要一唱再唱 像那草原千里闪著金光 像那风沙呼啸过大漠 像那黄河岸 阴山旁 英雄骑马壮 骑马荣归故乡 |
出塞曲(しゅっさいきょく) 出塞の歌を歌いましょう。 忘れられた古い言葉で。 美しいトリルで呼びかける。 我が麗しい故郷よ。 万里の長城の外側でしか見られない風景 出塞の歌は悲しいものではない 聞きたくないのは きっと 歌にあなたが渇望するものがないから 歌って、歌って、また歌う 広々とした草原に輝く光のように 砂嵐が通り過ぎた砂漠のように 黄河の岸辺にそびえ立つ陰山の麓に 英雄は馬に乗り 栄光に輝き、故郷に戻る |
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