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牡丹芳/白居易

2015-04-20 15:27:55     cri    

 「花開き花落つ二十日、一城の人皆狂ふが若し」という一句を国花園や洛陽市内で よく見かけました。白居易の楽府の一部です。非常に長い作品なのでこの句が含まれる 部分を抜粋して紹介します。

衞公宅靜閉東院  西明寺深開北廊  

戲蝶雙舞看人久  殘鶯一聲春日長  

共愁日照芳難住  仍張帷幕垂陰涼

花開花落二十日  一城之人皆若狂  

えいこうのたく  しずかにしてとういんをとざし  さいみょうじふかくして ほくろうをひらく
衛公の宅 静かにして東院を閉ざし  西明寺深くして北廊を開く

    ぎちょうそうぶして みるひとひさしく  ざんおういっせいして しゅんじつながし
戯蝶双舞して看る人久しく  残鴬一声して春日長し

  ともにうれう ひてらしてほうのとどめがたきを   すなわち いばくをはりて いんりょうをたる
共に愁ふ 日照らして芳の住め難きを   仍ち帷幕を張りて陰涼を垂る

  はなひらき はなおつにじゅうにち  いちじょうのひと みなくるえるがごとし
花開き花落つ二十日    一城の人皆狂えるが若し

<現代語訳>

 衛公の邸宅はみんなで牡丹の花見に行って東院を閉ざしている。その一方、 牡丹の名所西明寺の境内では奥ゆき深い北の廊下を開放している。 牡丹の花の上を蝶が2羽戯れて舞う姿を人々はいつまでも眺めている。 晩春になっても人里に留まっている鶯が一声鳴いて、春の日は長い。人々は共に嘆く、日が照りつけて牡丹の香りを保つのが難しいことを。そこで垂れ幕を張って涼しい影を作る。花が咲いて花が落ちる、その間二十日、 城中の人は皆、牡丹の花にとりつかれたようだ。

<コメント>

 この「牡丹芳」は、前半で牡丹の花が如何に美しいか、ほかの花などとは如何に違うのか を詠っています。その美しい姿を美人に例えてみたり、あらゆる角度から牡丹の美しさを 紹介しています。そして、この中盤で人々がどのように牡丹に魅せられているのか。牡丹絶賛の作品かと思いながら読み進んでいったら、そうではありませんでした。最後には、自然の力に頼って、もう少し牡丹の魅力を減らしてもらったら、花に夢中になっていた大臣たちも農事に関心を持つようになるのではないかと結んでいます。花を愛でるように、農事に興味を持ってくれということです。なかなか奥の深い作品でした。

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