世界遺産めぐり、貴州省赤水の丹霞地形
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一時間目は、貴州省赤水の丹霞地形をご紹介します。
世界遺産めぐり、貴州省赤水の丹霞地形
丹霞地形とは赤い山肌と断崖が特徴の地形で、中国特有の地形の一種です。大まかな統計によれば、中国で発見された丹霞地形は全国で720ヵ所を超えるそうです。
貴州省北部にある赤水市の地層には、水に溶けない三酸化鉄や三酸化マンガンが大量に含まれています。それらの成分が赤色であるため、ここの岩、土、川は赤く染まっています。ジュラ紀に形成されたこの1801平方キロの土地には、1200平方キロにも及ぶ丹霞地形があります。2010年8月、赤水市の丹霞地形とその他の何ヵ所かを合わせて世界自然遺産に指定されました。
赤水市に行くには、まず飛行機で四川省瀘州市へ行って、そこからバスで移動するのが便利です。90キロの距離を走って、赤水に入ると、意外なことにそこは一面の緑の世界です。道路の両側に立ち並ぶ大きな樹が並木道を作り、地面の大部分は生い茂る植物で覆われています。しかし、遠くへと流れていく赤水河や植物の根元に現れた赤い土が、丹霞地形の彩りを感じさせます。
赤水市の金沙溝にはヘゴ国家級自然保護区があります。ヘゴは、高さ10メートルの木の形になるシダの一種です。ヘゴは2億年前のジュラ紀や白亜紀の草食性恐竜の重要な食料でした。現在は、絶滅危惧種の植物で「恐竜時代から残る生きた化石」と呼ばれています。赤水一帯には、4万本以上が生い茂り、世界でもめったに見られない風景が広がっています。このヘゴは面積133平方キロの金沙溝保護区が育んだものです。澄んだ空気と一定の湿度と温度があるため、ヘゴは氷河期の厳しい寒さを耐え忍ぶことが出来たといわれています。
金沙溝一帯では、あちこちでヘゴを見掛けるので、その貴重さや絶滅の危機に瀕している現実など、まったく感じられません。高く聳え立つヘゴは、葉がこんもりと茂り、巨大な傘のように見えます。低くて太いヘゴは、まるでぶらぶらとのんびりしている小人たちのようです。「姉妹」と名づけられた連なるヘゴは、1本の根から2本の木が育つ、希少な変異例だといいます。
丹霞地形研究の権威である中山大学の研究者、黄進教授は「面積の広さ、変化の成熟度や特色さらに景観の壮大さや美しさのどれをとっても、赤水の丹霞地形は中国一といえるだろう」と評価しています。
観光スポットである十丈洞にたどりつけば、その壮大さをすぐ感じられます。赤水では、洞とは滝を意味する言葉です。谷川のほとりにある小道に沿って谷間に向かうと、遠くから滝の音が響き渡り、細かい水しぶきが霧雨のように降り注ぎます。峠を一つ越えると、3、400メートル先のところにある10丈洞滝が目に入り、勢いよく流れ落ちる滝の水滴が顔をしっとりと湿らせます。このほかに、高さ76メートル、幅80メートルの丹霞滝は、中国最大の滝といわれる黄果樹滝より、わずか1メートル幅が狭いだけです。
また、中国におけるカーテン状滝の代表格と称えられる中洞滝、淑やかで美しい娘のような姿をした四洞溝滝群、穏やかな燕子岩滝、趣たっぷりの神女滝など、赤水の丹霞地形地域には、幅3メートルを超える滝が4000ヵ所もあります。カーテン状、帯状、糸状、階段状、はたまた、空から流れ落ちる銀河や、空中から垂れ下がる幕のように、ここにはさまざまな姿をした滝があり、丹霞地形地域は「滝の王国」ともいえます。
五柱峰は赤水でもっとも代表的で、見ごたえのある丹霞地形です。生い茂る森の中から現れる赤い岩石は、緑の木陰に隠れた赤い城を思わせます。ここでは、城、塔、柱、棒、峰など、それぞれ形の異なる丹霞地形を目にすることができます。山頂に近づくと、長さ約1000メートル、高さ300数メートルのアーチ形の赤い岩壁が鮮やかな色彩を放ちながら輝いています。
中国の丹霞地形に興味があれば、是非、貴州省赤水市を訪れてみませんか。
二時間目は、貴州省赤水へのアクセス、主要観光地を紹介するほか、赤水市のグルメである豚児バ、筒筒筍料理をご紹介します。ぜひお聞きください。
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