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徐州の美味しい"朝"

2014-12-12 22:43:32     cri    

 渋滞でクラクションが鳴り響くなど何かと忙しい北京の朝に比べ、徐州の朝はとてもゆったりしている印象を受けました。ワンタンや焼き餃子など外で食べられる朝食の種類は豊富で、現地の人たちは思い思いの朝食を楽しみます。地元の人によりますと、徐州の人たちが一番好きな朝食は2つあり、その2つともスープだそうです。

 1つ目は「馬市街饣它湯」(マーシージェーシャアタン)というスープ。「馬市街」はお店の名前。後ろの「饣它」という漢字ですが、実は漢字の中にこの文字はありません。名前の由来は、清の時代に遡ります。乾隆帝が徐州を訪れた際に、朝の市場でスープ売り場に並んだ行列を見つけ、「啥湯?」(何のスープ?発音がシャアタン)と聞きました。ところがこのスープには元々名前がなかったので、市民たちは皇帝が発音したのを真似し「シャアタン」と答えました。それ以来、このスープは「シャアタン」となりました。漢字はそのとき、地元の人が当て字で作ったものです「饣它湯」は徐州生まれで中国の長寿の仙人である彭祖が作り出したとされるもので、栄養満点の鶏がらスープです。材料には漢方の薬味が30種類以上も使われていて、約10時間以上かけて煮込まれたものです。おおよそ4000年の歴史を持つとされ、長年に渡って徐州の人々に愛されてきました。

 今回の取材で、私も味見しました。どろどろとした食感で、薬味と鶏肉の味が効いています。少し味付けが濃い目ですが、セットで付いてくる揚げパンとの相性はぴったりでした。ちょうど今の寒い時期には、体を温めてくれます。飲みすぎた次の朝にもぴったりだそうで、あまり寒くない春や秋には、毎朝、とても長~い列ができるほど人気だそうです。

 もう1つのスープは「両来風辣湯」(リョウライフウラータン)というスープです。「両来風」は徐州で約100年近い歴史を持つ老舗店の名前。スープの名前に「辣湯(辛いスープ)」とありますが、これは唐辛子のような辛さではなくて、生姜が効いているピリッとした辛さです。お店の人によりますと、漢の時代に黄河の洪水が徐州に流れて込んできて以来、淡水のウナギがよく取れるようになりました。それを地鶏と一緒に煮込み、濃い口を好む徐州の人たちがさらに生姜を加えて、現在の「辣湯」となりました。「饣它湯」に比べるとさっぱりした食感で、生姜が効いているので、魚の臭みも感じません。10時間以上かけてじっくりと煮込んだスープなのでウナギと鶏の旨味もしっかり詰まっていて、とても美味しかったです。また、こういう栄養満点のスープから朝を始めることができるのも、贅沢な一品と言えますね。

 二つのスープのお店は朝から地元の人たちで溢れていて、とても賑やかでした。朝から熱々のスタミナスープを飲んで、一日中元気で頑張れるわけですね。是非、徐州の美味しい"朝"を味わってみていかがでしょうか。

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