五台山、文殊菩薩の霊場を訪ねる①
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二時間目は、高橋さんのリポートを交えて、五台山の有名な観光スポット、菩薩頂、顕通寺、黛螺頂をご紹介します。ぜひお聞きください。
2009年の第33回世界遺産委員会で、五台山は世界遺産に登録されました。
五台山の台懐にある有名な観光スポットは、菩薩頂、顕通寺、黛螺頂などです。
まずは菩薩頂
五台山のラマ教寺院の中で、最大規模。台懐鎮の霊鷲峰に位置して、満州族
言葉で文殊菩の住居という意味です。北魏時代に建てられた当初は「大文殊院」という名でしたが、その後、修復され、改名を繰り返し、清時代にラマ教崇拝の場所として、青廟(和尚廟)から黄廟(ラマ廟)へと変わりました。清の康熙、乾隆2人の皇帝が何度も五台山を訪れ、「朝台」し、その度に、この菩薩頂の西禅院に宿泊したため、皇帝の離宮となりました。明代に、菩薩頂に改名されました。
「菩薩頂」には、文物が数多く保存されていますが、中でも珍しいのが、後院にある4つの大きな銅鍋です。旧暦12月「八仏成道日」には、黄米・緑豆・蓮の実・栗・サンザシ等を入れて八宝粥を作ります。
顕通寺
五台山最大の寺院です。かつて、インドの高僧が、仏法を伝授するために招きに応じて中国にやってきました。漢の明帝は小さな寺を建て、そこを2人の住まいとしました。これが中国で最初の仏教寺院、洛陽の白馬寺です。やがて、洛陽を出発して、北上し、五台山にやって来た2人の僧は、現在の顕通寺の位置は、釈迦牟尼が修行を行った天竺の霊鷲山にきわめて似ていることに気づきました。2人は明帝にそのことを上奏し、ほどなくして雄大な「大孚霊鷲寺」が建てられました。寺の名はその後何度も変わりましたが、現在では明の太祖より賜った「大顕通寺」の名を踏襲しています。同寺は洛陽の白馬寺とともに、中原(黄河中流・下流の地域)における仏教寺院の元祖と呼ばれています。
顕通寺の中には、壮大な大雄宝殿がそびえ立っています。敷地面積は670平米に及んでいます。無量殿は無梁殿とも呼ばれ、建築全体に梁も柱もなく、すべてレンガを用いた迫持(アーチ状にくさび型のレンガを積んでせり合わせて支える構造)の技術によって築かれています。明代の建築では、めったに見られない貴重な宝物です。顕通寺の無量殿の内部には、天井の高さは20.3メートル、幅28.2メートル、奥行き16.2メートルです。
黛螺頂
清の乾隆帝は、何回も台頂に登って参拝しようとしましたが、風雨のため一度も実現できなかったといわれています。1781年、乾隆帝は五台山の中心部に位置する黛螺頂の寺院の住職である青雲法師に対し、5年後に再び五台山を訪れるが、そのときは「台頂まで登らずに、五方の文殊菩薩を拝したい」と伝えました。
青雲法師は、五つの台頂に祀られている文殊菩薩の塑像をそっくりまねてつくり、黛螺頂の正殿の中にまとめて安置すれば、殿内の五体の文殊像を礼拝することによって五方の文殊を拝することになるという。
1786年3月、乾隆帝は再び黛螺頂の寺院に来て五体の文殊像を拝しました。大いに喜び、即興で『登黛螺頂作(黛螺頂に登りて作す)』という七言律詩を作りました。その詩は石碑に刻まれ、いまでも寺内に残っています。
これが、五台を巡って参詣する「朝台」を簡略化した「小朝台」の由来であです。1080段の石の階段を一段あがるごとに頭を地につけて礼拝しながら向かいます……
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