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一時間目 世界遺産めぐり、雲南紅河州のハニ族の棚田

2014-09-19 16:25:18     cri    


世界遺産めぐり、雲南紅河州のハニ族の棚田

 ハニ(哈尼)族は棚田で稲作を営み、暮らしてきました。衣食住、労働、祝い事や祭祀、宗教や信仰、哲学や思想など、生活のあらゆる面に棚田文化が刻み込まれています。棚田の稲作文化は、すでにハニ族文化の根源となったと言ってよいでしょう。

 この地の棚田が「奇跡」とたたえられるのは、5つの理由があります。一、段が多いこと。坂の斜面に連綿と連なる畑は、3000段以上に及びます。二、規模が大きいこと。棚田がもっとも集中する地区の元陽県の棚田の面積は、13333ヘクタールに達します。三、歴史が長いこと。この地の棚田は、明の中期には一定の規模が形成され、少なくとも500年以上の歴史を有するといいます。四、景色が美しいこと。棚田と一体化した山や雲海、日の出と夕暮れ、また山村風景など、独特な美しさがあります。五、文化があること。棚田は人文景観が自然景観と融合したものとして、海外から訪れる人々に「大地の芸術」とたたえられています。

 さらに、ここの棚田は万里の長城と並んで「人間が創り上げた奇跡」とも言われています。この二つの違いは、万里の長城は庶民が強制されて完成させたものですが、棚田は人々が自ら積極的に作り、千年という歳月を経て自然にこのような規模となったということです。

 紅河ハニ族イ族自治州にある巨大な棚田は、紅河南岸の紅河、元陽、緑春、金平などのいくつかの県に及んでいます。中でも元陽県は、一番低いところで海抜144メートル、一番高いところで海抜2939.6メートルという高低差の大きな険しい山地です。元陽のハニ族の棚田はバ達の約933ヘクタール、老虎嘴の約400ヘクタール、多依樹の約667ヘクタールというように主に3つの地域に分布しています。

 元陽県は高温多湿の亜熱帯モンスーン気候に属し、年間平均気温15度前後と一年中春のように温暖で、年間平均降水量1397.6ミリと水も豊富です。県内の6万3958.4ヘクタールの森林は、いわば巨大な天然貯水池です。高い山から流れ落ちる無数のせせらぎや湧き出る泉は、この地の棚田、そして人々や家畜に水を提供しています。

 元陽県が位置する哀牢山には、7つの民族が暮らしています。海抜144~600メートルの地帯には主にタイ族、600~1000メートルの地帯にはチワン族、1000~1400メートルの地帯にはイ族、1400~2000メートルの地帯にはハニ族、2000メートル以上には主にミャオ族とヤオ族が住んでいます。漢民族はほとんどが県の中心部あるいは道路の沿線に住んでいます。

 ハニ族が暮らす地帯は、水稲の生長に適しています。もともと青海・チベット高原に集まり住んでいましたが、牧草を追い求めあちこちに移り住んだハニ族の先祖たちは、1200年ほど前の隋・唐代から哀牢山地区に定住し、棚田を開墾し、水稲を栽培するようになりました。長い歳月をかけて、ハニ族がほかの民族と力をあわせて引いた約6000本の用水路は、まるで銀色の帯のように、山々の棚田と村々をつないでいます。

 このように、高い山の森林が育んだ清流は、用水路に沿って、村へ棚田へと流れ、高所から低所へと自然に流れつつ、河川に合流し、最後は海に注ぎ込んでゆきます…

 皆さん、紅河ハニ族イ族の棚田に興味があれば、是非おでかけください。

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