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問われる日本人の平和意識

2014-08-13 12:55:51     cri    

――両国関係はいまだ改善の見通しが立ちませんが、その背景をどう見ていますか。

粟屋 日本サイドの見方では、中国の海洋戦略の影響が大きいということですが、中国にいる側の人間としては、日本から伝わってくる情報は、武器輸出3原則の見直しや、もう解決済みだったと思っていた歴史問題が「世界の歴史の中で見ても、定説がない」などなどです。こういったものは、安倍政権の右傾化も連動していると思うのです。特定秘密保護法案、集団的自衛権の行使容認など、どれも国民の合意の上ではない。教育の現場も締め付けが厳しく、非常に暗くなっています。

 ただ、日本ではネット右翼も増えているが、憲法を守ろうとする人々も増えている。まだどっちが優勢というのではない。私は日本のこれから赴く方向について、安倍さんの願う通りに変わっていくとは思えない。

村田 僕は中国に対して言いたいことがあります。

 僕が学生の頃に心打たれたのは、周恩来や毛沢東が、軍国主義者と人民を区別し、日本人民も同じように戦争の被害者である、という教育を盛んにしていたことでした。今はどうもその教育が不足している。なんでも日本、日本と一括してとらえる。表面的なことだけを見て、日本の民衆と政府を一体化して考える傾向が強まっている気がします。 ――では、歴史の傷を乗り越え、真の和解の実現に求められていることは?

粟屋 とにかく、日本が敗戦するまでの日中の歴史は日本の侵略です。日本の歴史教育は近現代から始めるべきで、なぜ中国にまで行って戦争をしたのか、若い人に知らせなければならないと思います。  最近、日本では広島へ行っても平和記念館よりも戦艦大和の記念館に行く若い世代が増えています。大久野島に毒ガス製造工場の資料館がありますが、毒ガスが実際に使われた中国での被害についての展示が非常に少ない。これらに日本人の平和意識の問題点が表れています。

 一方、強制連行された労働者たちの損害賠償については「日中共同声明」において、中国政府が賠償を放棄したので解決済みだ、というのは日本政府の考え方ですが、僕はやっぱりドイツと同じように、国と国ではなく、国と人の視点で真摯に考えなければいけないと思います。軍事費を増やすよりも、そのお金を謝罪と救済に使うのが一つの突破口になると思いますが……。

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