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一時間:世界遺産めぐり、河北省承徳市の避暑山荘

2014-07-11 19:46:01     cri    


 世界遺産めぐり、河北省承徳市の避暑山荘

 1701年の秋、清王朝の康煕帝は、北方への巡視に出かけ、木蘭猟場で狩猟を行いました。

 熱河の宿営に着いたとき、奇異な峰がそびえ立った、すばらしい景観が目に入りました。康煕帝は、この山と水に囲まれ、広々とした土地に、離宮を建設するよう直隷(河北省の旧称)総督に命じました。

 それ以来、89年の間、わずか二十数世帯しかなかった小さな山村は、世界最大の皇室庭園になりました。

 河北省の承徳市にある総面積564万平方メートルを占める避暑山荘は、地形の変化に沿って作られた庭園です。中には、山や川、谷、平原、湖、森林、草原など自然の景観が再現されています。その中には、多くの中国の名勝の姿を見ることができます。

 この宮殿と御苑が一体になった皇室の庭園には、合わせて152組の景観があり、そのうち最も代表的なのが「康煕36景」と「乾隆36景」をあわせた「康乾72景」です。

 山荘の景観が分布している区域には、9つの門以外に、4つの大きな宮殿区や、9つの湖と10の島のある湖区、平原区や山地区があります。

 「麗正門」は山荘の正門で、「乾隆36景」の第1景です。門を入ると、正宮、松鶴斎、万壑松風、東宮という4つの大きな宮殿があり、現在、東宮は遺跡だけが残され、ほかの三大建築は完全な形で保存されています。

 山荘の宮殿建築が、北京の紫禁城と違うのは、皇権を象徴する黄色の瑠璃瓦や、大理石の欄干、ベンガラ色の壁が見られず、梁や棟木に彫刻も絵も施されていない点です。黒いレンガと灰色の瓦で建てられた宮殿は、山荘の風景と調和し、上品に見えます。

 正宮は、清代の皇帝が承徳にいた際、日常政務を執り行った場所です。山荘の中でも大切な建物で、「天子が九重に身を置く」という理念に基づき、南北方向の中軸線に沿って建てられたものです。

 二つめの中庭にある内午門には、康煕帝が書き記した「避暑山荘」という、周りに竜が彫刻された額が掛かり、「避暑山荘」の文字には金箔が貼り付けられています。

 内午門に入ると、大きな四合院様式の建築があり、真ん中の殿堂は、皇帝が政務を行った場所です。殿堂は、1711年に建築が始まりました。1754年には、楠木で改築されたことから、楠木殿とも呼ばれ、殿堂には今でも楠木の香りが漂っています。

 承徳は、北京からも近いので、北京に来られたら是非、避暑山荘に足を伸ばしてくださいね。特に夏がお勧めです……

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