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5月30日 金曜日

2014-05-30 18:02:46     cri    

一時間目は、世界文化遺産に登録された広東省開平市の碉楼をご紹介します。

 開平市は広東省の省都・広州市の西南約120キロにあります。開平市に入ると、自動車道路の両側の村々に、一般の住宅の中から突きだしたように高くそびえ立つ碉楼、別名望楼と呼ばれる建物が断続的に並んでいるのが目に留まります。それが十棟以上にも及ぶ村もあれば、わずか2、3棟しかない村もあります。専門家の統計によれば、最盛期には3000棟以上の望楼がこの開平市にあったといわれますが、今、残っているのは1833棟だけです。

 望楼の起源は明代(1368~1644年)後期といわれます。当時の開平市は水利工事の修理を怠り、社会秩序が乱れていたため、村人は洪水と山賊の被害に悩まされていました。不測の事態に備え、また防衛のために、村人は続々と洪水及び山賊対策の望楼を建て始めたのです。

 開平市は、「中国第一の華僑の故郷」と呼ばれています。1659平方キロあまりの面積に人口68万人あまりですが、海外にいる開平出身の華僑は75万人にのぼります。多くの開平出身の人がアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの先進国に暮らしています。かつて海外で生計を立てていた華僑たちは、1882年に公布されたアメリカの人種差別に基づく法律――「中国人排斥法」の制限を受け、いくら金を稼ごうと米国社会に溶け込むのは不可能であったことから、子孫繁栄の願いを故郷に託しました。

 華僑たちが帰郷に際して重視したことは3つありました。家を建てること、土地を買うこと、そして妻を娶ることです。当時、山賊の勢力が盛んな土地で、頻繁に水害に襲われるため、家を建てる時には、高く丈夫で防御機能を備えた構造の望楼を選んだのです。海外から持ち帰った建物の設計図、写真及び材料を用いることが多かったため、多くの望楼がヨーロッパの古典建築スタイルとなりました。ローマ式アーチ、ゴシック建築尖塔アーチ、古代ギリシアの柱廊、バロック調の三角形の切妻壁、ポルトガル建築のバルコニー、さらにイスラム風の鉄彫まで、各国の建築芸術スタイルが見られます。これらの建築工事を引き受けたのは、すべて地元の建築技術者です。そのため、望楼には少なからず中国式建築の特徴も入り、開平の望楼は異なる時代、異なる流派、異なる民族、異なる宗教の建築の「かけら」が組み合わされた形の不思議な建築物となりました。こうして、中国の農家による西洋文化の再現とも言えるものとなったのです……

 皆さん、もし、広東省開平の碉楼に興味を持ったならば、是非ここを訪れてくださいね。

 二時間目は、碉楼がある広東省の開平市の基本情報をご紹介します。その後、碉楼のアクセス方法、入場料などの関連情報をご紹介します。その次に、碉楼近くの有名な観光スポット・古兜温泉リゾート地、バードウォッチの有名な場所(鳥島)をご紹介します。さらに、現地の代表料理、豆腐角と鮒お粥をご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)

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