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【一時間目】世界文化遺産、平遥古城近くの双林寺、鎮国寺

2014-02-14 16:12:03     cri    

世界文化遺産、平遥古城近くの双林寺、鎮国寺 

 悠久の歴史をほこる山西省平遥県の平遥古城は、古代文物の「宝庫」として知られています。これまでに発見された地上・地下遺跡や古代建築は300以上にのぼり、各レベルの文物保護地は99カ所です。


双林寺

 とりわけ、国家級の重点文物保護単位である双林寺、鎮国寺の二つの寺は、平遥を代表する文物で、その独特な特色に満ちあふれています。ここには、五代十国時代(907~960年)の古代建築や寺院の中に、異なる時代の彩色塑像がほぼ完全な形で残っています。国内外の専門家たちに、「世界でもまれな文物の至宝だ」と称えられ、人々の注目を集めています。

 1997年12月3日、平遥古城と双林寺、鎮国寺の「一城両寺」は、世界文化遺産リストに登録されました。

 双林寺は、平遥古城から西南へ約6キロの橋頭村に位置し、古城南門からは車で約10分と非常に近いです。このお寺のもとの名は中都寺でしたが。建立年代は古く、寺院に残る北宋(1011年)の碑文によれば、この寺は571年に改築され、そこから数えてもすでに1400年以上の歴史をほこります。南向きに建てられており、敷地面積は1万2000平方メートル。中庭が前後に三つあるつくりの「三進院」で、天王殿、釈迦殿、千仏殿、大雄宝殿など11の主要な仏殿が配されています。

 寺院には、宋、元、明の各時代の彩色塑像が合わせて2056体あります。こんにちまでほぼ完全な形で保存されており、「東方の彩色塑像芸術の宝庫」と称えられています。塑像は、最も大きなもので高さ3メートル、最も小さなもので30センチと、その大きさや姿、表情はさまざまですが、いずれもきわめて精巧につくられています。双林寺千仏殿の中央に配された自在観音は、別名、水月観音とも呼ばれています。落ち着いた顔立ち、背筋をピンと伸ばした観音菩薩の座像は珍しく、貴重な塑像芸術として高く評価されています。また、双林寺天王殿の回廊の軒下に立つ金剛立像は高さ3メートルで、双林寺では最大の塑像です。

 塑像をつくるには、平遥産の粘性の強い赤粘土と砂、麦ぬか、粟のわら、綿、麻紙、方形の鉄釘、針金、木材、ガラス製の眼球など十種類以上の材料が必要です。製作は、木骨の組み立てから肉付け(粗い粘土の上塗り)、着衣(細かい粘土の上塗り)、彩色までの各工芸段階にわかれます。

 塑像には、高い写実性と懸塑(壁に懸けられた塑像)の手法がとられており、それが双林寺の彩色塑像芸術の大きな特色です。立体的な視覚効果はバツグンで、まるで生きているかのように躍動感にあふれた塑像が、見学者の心を打ちます。

 近づいてよく見ると、表面には光沢があり、精緻な細工が施され、素材の質感が十分に生きています。色彩は目を奪われるほどに美しく、とりわけその眼球は、双林寺の塑像芸術の中でもひときわ精彩をはなっています。仏像の眉や目の縁、眼球などは、人間の解剖学原理にてらして精密につくられ、中でも黒ガラスをはめ込んだ眼球は輝くばかりで、仏像に生気と迫力を与えています。

 もうひとつの特色は、中国古代の彫刻・絵画芸術を踏襲した上で、それぞれの長所がきわだつ彩色塑像芸術を打ち立てたことです。はだの色や服装などに異なる色をつかう際には、塗る、染める、描く、刷る、点描する、こする、拭くなどさまざまな手法で、生き生きとした塑像をつくり上げたのです。


鎮国寺 

 もうひとつのお寺、鎮国寺は、もとの名を京城寺と言い、平遥古城から東北へ約12キロの村に建てられています。明代、1540年に鎮国寺と改名されました。南に向かって建てられた二進院で、1万3000平方メートルあまりの広大な敷地をほこります。天王殿や万仏殿、三仏楼、鐘楼、鼓楼などの建物があります。

 うち五代十国時代に建立された万仏殿は、鎮国寺では最も古く、千年以上の歴史に彩られています。数回にわたる改修をへたものの、唐代の建築様式を完全なまでに伝える、中国に現存する最古の木造建築の一つです。

 寺院には、五代十国、元、明、清の各時代の彩色塑像51体、壁画100点あまりが保存されています。そのうち万仏殿にある11体の彩色塑像は、中国の寺院に残る五代十国時代の唯一の作品です。精緻をきわめた細工や芸術性から、世にもまれなる逸品と称されています……

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