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二時間目は、四川省のジャイアントパンダ生息地の地理的な情報、アクセス方法などをご紹介します。その後、四川省のほかの有名な観光スポット、世界遺産の九寨溝、黄龍のほか、成都市内の杜甫草堂、武候祠、グルメの町、錦里などをご紹介します。さらに、「グルメのコーナー」では、四川省の代表的な料理である夫妻肺片、兎頭などをご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)
世界遺産めぐりー四川省のジャイアントパンダ生息地
1869年、フランス人宣教師であり、そして生物学者でもあるアルマン・ダビッド(1826~1900年)は、四川省夾金山のふもとの宝興県でジャイアントパンダを初めて見つけました。ダビッドが作った近代世界初のパンダの標本はパリに運ばれて展示され、世界生物学界を沸き立たせました。その後、白黒二色のくっきりした模様が特徴のパンダは、世界中の人々の関心を集め、愛護の気運が高まったのです。
そして2006年、四川省内にある7つの自然保護区と9つの風景名勝区が「四川ジャイアントパンダ保護区群」として世界自然遺産に認定されました。7つの自然保護区には、臥龍、蜂桶寨、黒水河などの自然保護区があり、9つの風景名勝区には、四姑娘山、夾金山、青城山・都江堰などの風景名勝区があります。これらの地域には野生のジャイアントパンダをはじめとする貴重な動植物が多数生息しており、豊かな自然に恵まれています。
四川省のパンダ生息地の総面積は9245平方キロで、世界最大の自然のままのパンダ生息地です。ここに生息している野生のパンダは世界に生息しているパンダの30%以上を占めています。
ダビッドがパンダを「発見」したのは、夾金山風景名勝区です。「夾金」はチベット語の音訳で、「非常に高くて険しい」という意味です。主峰は海抜4930メートル。夾金山は小金県と宝興県にまたがり、険しい山並みがどこまでも続き、幾重にも重なる岩石の屏風が天に向かって聳え、斧で切り落としたような絶壁が連なっています。空気が薄く天気も変わりやすいです。
この近くにあるパンダ保護区は、蜂桶寨国立自然保護区です。この周辺には、臥龍、黒水河、喇叭河の三つの自然保護区があり、保護区のトライアングルを形成しています。蜂桶寨はこのトライアングルの中心に位置し、邛崍山系に分散しているパンダ生息地を結ぶ回廊地帯として、この地域のパンダ群の遺伝子交換にも大いに役立っています。
蜂桶寨自然保護区の最も高い所の海抜は4896メートルで、最南端の最も低い所の海抜は約1000メートル、高度差はおよそ3800メートルです。湿気と気温が高度によって変化するため、保護区内の植物の垂直分布の特徴がはっきりと見えます。
では、四川省最大のジャイアントパンダ保護センターをご紹介します。まずは、ブン川県臥龍パンダ保護センターです。
1963年、国家林業省と四川省政府の承認を経て、四川省汶川県臥龍鎮の山林にジャイアントパンダの自然保護区が設立されました。広さは2万ヘクタールです。
臥龍パンダ保護区は、四川省の省都・成都市の中心部から西北に134キロほど離れた所にあり、南北62キロ、広さは東西52キロです。四川盆地と青海・チベット高原の間の山岳渓谷地帯に位置しています。保護区の地勢は北西から南東に向かって急斜面が続き、海抜の低いところは1150メートルです。臥龍パンダ保護区は複雑な自然環境と典型的な高山生態系を有し、豊かな動植物資源に恵まれているため、「パンダのふるさと」と呼ばれているだけでなく、「大自然の遺伝子庫」ともされています。
1980年には、臥龍に本部を置く中国パンダ保護研究センターが設立されました。世界最大のジャイアントパンダ科学研究・保護機構であるこのセンターは臥龍、都江堰、碧峰峡の三つの基地を設けました。設立以来30年間、主にパンダの繁殖とパンダの生息数の増加に関する基礎研究を行い、パンダをはじめとする稀少動物の種の繁殖を主な目的とし、各種動物の飼育や繁殖、病気の防止、遺伝及び野生化などの分野における総合的研究を進めてきました……
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