会員登録

【二時間目】中国の旅DX・江西省の三清山

2014-01-10 18:56:01     cri    


世界遺産めぐり、江西省の三清山

 三清山は江西省玉山県と徳興県にまたがっています。主峰の玉京峰は標高1820メートル。晋(265~420年)の時代から、歴代の道家の修行場でした。道家は玉京、玉華、玉虚という三つの峰を神々が住む最高仙境の三清(すなわち玉清、上清、太清)境と考えていました。これが三清山の名前の由来です。

 2008年7月、カナダのケベック州で開催されたユネスコ第32回世界遺産委員会で、中国江西省の「三清山」が世界遺産リストに登録され、中国で7番目の世界自然遺産が誕生しました。

 この委員会は全会一致で三清山を世界遺産と認定し高く評価しました。

 花崗岩が形成する独特の石柱群や峰々の稜線の造形、豊富で多彩な植物、遠近の変化に富む景観、刻々と変化する天候、これらが形作る唯一無二の美しい自然美は人々を惹きつけてやみません。また、環境保護の状況も良好なことから、世界遺産にふさわしいとされています。

 三清山風景区の総面積は756.6平方キロメートルで、そのうち核心エリアは230平方キロメートルです。南清園、西海岸、三清宮、梯雲嶺、玉京峰、陽光海岸などといった十大景勝地を有する国家重点風景名勝区で、中でももっとも有名な観光スポットは南清園です。

 三清山の山岳に見られる珍しい風景は、14億年前の原生代以来3回の海水浸食によって形成されたものです。長い歳月を経て三清山地域では頻繁に激しい造山運動が起こり、断層の広がる山々は上昇し続け、地勢的に巨大な高低差が生じました。また、長期にわたる風化侵食と重力崩壊の作用により、現在の三清山の高くそびえる峰、深く切れ込む峡谷という山岳の風景が生まれたのです。

 三清山は亜熱帯気候に位置し、高山気候の特徴も持っています。年間平均気温は10~12度、7月の平均気温は22度、年間平均降水量は2000ミリ程度です。近年は避暑地として有名です。

 三清山は非常に大きな山なので、一日ではとてもめぐりきれません。観光客は大抵、一番有名な観光スポット「雲と霧のふるさと、松と石のギャラリー」と呼ばれる南清園を訪ねます。南清園には、「三清神光」、「珍稀仙葩」「象形奇峰」という「三絶(三つの絶景)」があります。

 三清山では、常に瞬間風速毎秒17メートルクラスの強風が吹きます。その風は意図せずして「彫刻の達人」となりました。南清園観光スポット北部にある「司春女神」は風化侵食の大作であり、おかっぱ頭の女神が正座しているような形の岩です。西のほうで女神と離れて向き合う高さ128メートルの花崗岩峰柱「巨蠎出山(山から出てくる大蛇)」は、風化や重力崩壊の作用によって花崗岩が形成した地質的景観です。「司春女神」と「巨蠎出山」の写真を掲載した米国の「ナショナルジオグラフィック」誌は、「花崗岩地形でこのような景観が形成されているの、世界でも珍しい。唯一無二のものである」と評価しました。

 「巨蠎」を離れ、谷間に沿って石の階段を上がり、大禹(紀元前2070年ごろ)が登ったことでこの名がついたという標高1700メートルの禹皇頂に足を運びましょう。中華民族の先祖といわれる大禹はここに登って地形を観察し、人々を率いて山を切り崩し、洪水を治めたという伝説があります。禹皇頂から南を眺めると、秀峰が高くそびえ立ち、雲海は波のように逆巻いています。山々は雲や霧の中で見えつ隠れつしています。振り返ってみると、雲や霧は谷に沿って湧き上がってきます。強い日差しの下、雲に含まれる水滴が五彩の光の輪を映し人々を覆います。これが三清山の三絶の一つ「三清神光」ブロッケン現象です。中国では、このような自然現象を吉祥の象徴とし、「仏光」や「宝光」とも呼んでいます。

 禹皇頂から南へ下ると、西側にある山道に沿ってのぼっていくと、山頂のすぐ手前で、三清山の十大絶景の一つである「玉女開懐」の姿が見えてきます。この景観は双乳峰とも呼ばれます。標高1558メートルの花崗岩の構造変化や風化侵食作用によって形成された象形石の景観で、乳房の形をしています。視察に訪れた国連世界遺産委員会の専門家たちは、この二つの「乳房」は人工的なものではないかと疑いを抱いたほどですが、地元の人々が臨時の桟道を作って専門家たちを山頂に案内して考察してもらい、ようやくその疑いが晴れました……

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS