20131108节目第二段
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土楼の建築資材は、その土地で手に入れます。土や石灰、細かい砂を混ぜ、繰り返し突き砕き、さらに突き固めてから、高さ数十メートルの壁を築きます。一部の土楼の壁にはさらに黒砂糖やもち米で作ったのり、卵の白身などを入れて混ぜることで壁の強度を高めます。土楼の外側の塀の厚さは一般に1、2メートルほどあり、野生動物や盗賊の攻撃にも耐え、火事や地震などの災害にも強くなっています。また、冬は暖かく、夏は涼しく、保温効果に優れています。
円形の壁の構造は、壁の中に木や竹の棒を水平に敷き、地面に近いほど厚く、上にいくにつれて薄くして壁全体を強化しています。内部は柱を棟木、あるいは母屋桁まで通し、上部の要所を針状の貫で固める木構造で、空間を自由に仕切り、それぞれ機能別の部屋を作ることができます。昔からずっと土楼で暮らしてきた先祖たちのたゆまぬ探求のおかげで、壁の高さと厚さは13対1の比率に達し、もはや建築技術の極限に近づきつつあります。
数多くの土楼の中で、世界遺産リストに登録されたのは、永定県の高北土楼群、洪坑土楼群、初渓土楼群、衍香楼、振福楼、南靖県の田螺坑土楼群、河坑土楼群、和貴楼、懐遠楼、華安県の大地土楼群です。
土楼は主に円形の円楼、四角の方楼、そして鳳凰が羽を広げたような五鳳楼と呼ばれる建築スタイルで造られたものが多いのですが、変形した楕円形や凹字形、半円形、八卦形などもあります。
「土楼の王」と呼ばれる永定県の高北土楼群の承啓楼は、円形の土楼の代表的なもので、明朝(1628~1644)年に建設が始まり、清朝(1662~1722)年に完成しました。半世紀あまりかけて建てられたのです。
楼の直径は73メートル、高さは16メートルで、3つの同心円の形になっています。一番外側は4階建てで、各階に72の部屋があります。第2層の丸い建物は2階建てで、各階は40部屋ずつあります。第3層は1階建て、32の部屋で、中心部は祠です。土楼全体では400の部屋に3つの門、2つの井戸があり、敷地面積は5376平米です。1986年、当時の中国郵電部は中国民家にちなんだ切手セットを発行しました。その中の福建省民家の切手には、承啓楼が描かれています。
洪坑土楼群に属する奎聚楼は、1834年に建てられたもので、敷地面積6000平米に及びます。宮殿様式の構造の方形大土楼で、内部の軒や梁に施した彫刻はとても美しいです。高いところから眺めると、楼群が背後の尾根と一体となって、猛々しい虎が山から下りようとしているかのように見えますが、その虎の頭の部分こそが奎聚楼です。虎の姿のように見える地形にあわせ、その地理の特徴を生かして設計されています。楼の前の塀にある2つの窓は、まるで虎の眼のようです。
南靖県の田螺坑土楼群は、標高788メートルの坂の上に位置し、方形の歩雲楼や円形の振昌楼、瑞雲楼、和昌楼、楕円形の文昌楼の5つの土楼からなっています。この土楼群の建設は1662年に始まり、全体は304年の歳月をかけて形成されました。高いところから見ると、5つの土楼は山の傾斜に沿って散らばっており、幾重にも重なる土壁がやはり幾重にも重なる段々畑と、離れていても互いに呼応しています。
今は、近代的な施設が備わった住宅が土楼の近くで建設されています。このような住宅を購入して土楼を出ていく者、あるいはもっと大きな都市に行って、良い仕事を探す者もいます。しかし、やはり先祖伝来の土楼に祭祀の時には戻り、ばらばらになった一族が再会します。
皆さん、今、中国の南方地域の福建省は、ちょうどいい観光シーズンです。是非、中国の世界遺産、福建省の土楼を訪れてみてください……
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