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世界遺産、河南省洛陽の竜門石窟
竜門石窟は、甘粛省の敦煌莫高窟、山西省大同の雲崗石窟と共に、「中国の三大石彫刻芸術の宝庫」と称されています。竜門石窟は、北魏孝文帝(471年―477年)の時代に開削が始まり、400年余をかけて完成され、1500年の歴史を持っています。
竜門石窟は、中国中部河南省洛陽市の南郊外12.5キロのところに位置し、竜門峡谷の崖の両側にあります。両側の龍門山と香山が対峙し、伊水という川が崖の真中を流れていることから、最初は「伊門」という名前が付けられていましたが、唐代以降「竜門」と呼ばれるようになりました。ここは交通の要所で、景色が美しく、気候は温暖で、文人たちに好まれた場所でした。良質の岩石は彫刻に適し、古代の人々はこの地を選んで石窟を開削しました。
現在の竜門石窟は南北の長さ約1キロ、石窟は1300ヵ所余、石仏壇は2345個、石碑などの彫刻が3600余、仏塔が50余、石仏が9700体余あります。石窟の6割を占めるのは唐の時代のもので、賓陽中洞、奉先寺及び古陽洞が最も代表的なものです。2000年11月、竜門石窟はユネスコの世界文化遺産リストに登録されました。世界遺産委員会は、「竜門地区の石窟と仏壇は、中国北魏後期から唐代(493年ー907年)における、規模が最も大きく最も優れた造形芸術を表現している。仏教をテーマとするこれらの芸術作品は、中国の石彫刻技術の最高レベルを示した」と評価しています。
竜門石窟は、北魏の孝文帝の時代(471~499年)に造営がはじまりました。その後も東魏、西魏、北斉、北周、隋、唐、五代、北宋などの歴代王朝が、400年以上も開削を続けてきました。そのうち、北魏と唐の時代に造営されたものは規模が最大です。竜門の洞窟では、北魏時代のものは全体の30%、唐代のものは60%、その他の時代に造られたものはわずか10%ほどです……
1330年前に完成したこの大型の彫像群は、唐代という偉大な時代のシンボルだけではなく、中国石彫刻の傑作であるともいえるでしょう。竜門石窟は大型石彫刻芸術の博物館ともなっています。
皆さん、龍門石窟や、牡丹の花、少林寺拳法、陳家溝の太極拳に興味があれば、是非、中国の伝統と文化の蓄積が豊富な地域、河南省を訪れてくださいね。
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