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故郷の曇 【山西師範大学 成莎】

2013-09-26 15:07:04     cri    

 故郷というと、中国の有名な歌手費翔の代表曲『故郷の曇』が思い出される。長いこと他の場所にいる人にとって、故郷は永久の思いだと思う。

 私の故郷は中国山西省の一つの田舎めいた山村である。ここは、山々に囲まれて、水の流れのさらさらした音が染みてくる。ウグイスが囀る春に川辺で少年が横笛を吹いて、対岸の少女に愛を伝えるという美しい画が見える。抑揚あるメロデイーを聞くと心が揺さぶられる。私は川端康成の書いた高校生と薫さんのような淡くて朧げな愛を感じずにはいられない。自分がいつ恋人に出会えるのだろうか。

 ここではあちこちで人情の香りが漂っている。純朴な風習があり、親切な住民もいる。お客様がここに来れば村民たちは最もおいしい美酒や料理でもてなすに違いない。沢山の美しいことを満喫できる。

 しかし、一日一日と大きくなるに連れて、私は故郷を離れて、他の所に学問を求めた。特に、大学生になった私の故郷にいる時間は少なくなる。卒業後、都市で就職するかもしれない。そして、日本語科の学生として、日本へ行って、生計を立てるかもしれない。いずれにしても、夢を持っている私は未知の世界で自分の居場所を作ろうと思う。でも、故郷は私が生まれてから、すくすく成長したところである。ここは私の愛に満ちた天国で、私の思い出に満ちたキャンプである。「故郷は忘れ難い」ということわざが言うように、心に最も深く秘めているものは永遠に故郷である。

 歴史上では異郷をさすらう人が後を絶たない。その時、様々の愛が現れる。中国の孟郊は「誰言寸草心、報得三春晖」という名句を残した。私が故郷を離れる時、母は子への愛を示した。私が大学に入る前に、母が自ら布団を縫ってくれた。一針一針が私への愛に満ちている。毎晩、布団を掛けると、母の胼胝だらけの両手が思い出される。この布団がある私は幸せの持ち主である。

 また、山西省に「走西口」というユニークな言葉がある。生計のために、旦那さまが内蒙古あたりへ行って働く。旦那様と分かれる時、妻はなんとも離れがたく涙がこぼれて、名残りが尽きない。

 私は故郷の曇になりたい。日照りの時には、雨を降らす。そうすれば、雨に恵まれた農産物が勢いよく育つ。豊作になる秋がきて、農民たちが嬉しがるでしょう。また、猛暑の時に太陽を遮れば人々は照りつけられない。それに、少女が日焼けする悩みをも解消される。私は故郷の曇として、永遠に故郷を守ろう。

 長い間故郷に帰っていないので、故郷の川や山そして私の父、母、兄さんを懐かしく思う。故郷は本当に不思議な治療の効果があるところである。故郷へ帰ると、一切合切の悩みはすっかり取り去られる。そして、故郷は心を掴む魅力がある。本を読んでいるうちに、そんなことが頭に浮かんで、少し悲しい感じがした。もうすぐ夏休みになる。帰りたくてたまらない。試験が終わったら故郷へ帰ろう!

 私は故郷の雲に向かって手を振って、「ずっとあなたのそばにいるよ」と叫ぶ。

 わたしの故郷:「愛してる」。

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