会員登録

三時間目 「ライフマガジン」(貯金好きの中国人、本当は金持ちなのか?)

2013-09-17 19:54:50     cri    


 担当:王穎穎 大野清司

 中国人民銀行(中央銀行)の最新データによれば、中国国民の預金残高は8月まで3カ月連続で43兆元(約700兆円)を超え、過去最高の水準となっています。中国の貯蓄額が世界最多であると同時に、貯蓄率も世界最高の50%超で、世界平均を大幅に上回り、1人当たりの貯蓄額も3万元(約50万円)を超えました。このうち普通預金は16兆元、定期預金が27兆元で、定期預金の人気が高いことが分かります。過去10年間で中国人の貯蓄は急速に増え、預金残高は2003年9月の10兆元が、08年8月に20兆元、10年12月に30兆元、13年1月に40兆元と拡大しています。

 ノーベル経済学賞を受賞した経済学者の話に生命周期仮説論というものがあります。人がお金を払うとき、今月の収入によって計算するのではなく、一生でどれぐらいお金をもらうかに基づいて計算するというものです。するとまず、中国人は未来の収入に対して確定性がかけている。これからいくら収入があるかわからない。次は、これからの支出も心配している。この2点で貯金のスピードが加速しているではないかという説です。

 中国の貯金が世界一、貯金率も世界一、では貯金が多いことはいったい良いことなのか、それとも悪いことなのか、人民日報のエコノミスト熊建氏の話「半分半分でしょう。預金が多いが、貸し金が少ない。それは中国人の資産負債率が良好であることの証明。経済の発展によいサポートができます。その次に、家庭の負債率が低いことは、購買力、消費力の潜在力が大きいことを現しています。もし、さまざまな保障ができ、投資のルートが増えれば、潜在的な消費がすぐ現実のものになります。しかし、一方、高い貯金率は、消費の低迷を物語っています。長い目からみれば、住民の資産が流失しています。貯金の利率が低すぎるわけです。銀行が高い利率でお金を貸しても、お金持ちはそれを投資し、より高い収益を得ることができます」

 西南財経大学の「中国家庭金融調査報告」によりますと、55%の中国家庭にはほとんど預金がない、あるいは完全にないということです。10%の家庭、高収入の家庭の預金が預金全体の75%を占めています。10%、1億3000万人が4分の3の貯金、つまり30兆元、1人平均23万元。残りの10億人から11億人は10%しか占めていません。つまり10兆元、一人当たりわずか8500元しかりません。

 貯金が多くなるのは、お金持ちになったわけではありません。収入が少ないので、消費を恐れており、銀行に置いておくしかない。

 一、政府の社会保障、教育への支援が足りない。教育、不動産、医療、養老、ほとんどが自己負担なので、お金が必要です。

 二、投資するにはリスクに耐えられる力が低い。結局、貯金がもっとも安全です。(王穎穎)

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS