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中国国防部長の訪米が明らかにするメッセージ

2013-08-30 10:04:47     cri    

 常万全国務委員兼国防部長(国防相)が16日、訪米に出発する。ヘーゲル国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らと会談するほか、太平洋本部、北方本部など軍事施設を見学する。常部長の訪米は昨年末に中国、今年初めに米国の国防首脳が交代してから初の中国国防部長による訪米であり、今年6月上旬の「習・オバマ会談」後、初の中国軍首脳による訪米でもあり、中米両国・両軍関係の健全で安定した発展の推進にとって重要な意義を持つ。(文:趙小卓・軍事科学院中美防務関係研究センター研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 第1に、今回の訪問によって両軍の積極的な働きかけ合いという良好な基調が続き、両軍関係の健全で安定した前向きな発展が促される。近年、中米両軍上層部は頻繁に相互訪問を行なっている。今年に入ってから、両軍関係は積極的な発展という良好な基調が続いている。デンプシー米統合参謀本部議長が訪中したほか、両軍首脳はアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)など多国間の場で良好な意思疎通を行なった。中国軍は第5回中米戦略経済対話、戦略安全対話、および初のサイバー作業部会会合に参加した。中米両軍はブルネイで開かれた拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)の人道救援減災・軍事医学合同演習で良好な協力を繰り広げた。中国軍は米国の招待を受けて、多国間合同軍事演習「リムパック2014」に参加する。

 第2に、今回の訪問では中米の新型の大国間関係にふさわしい軍事関係の構築を模索し、両国元首間の重要な共通認識を両国国防省・軍の政策や行動に転化する。今年6月、中国の習近平国家主席はサニーランズでの特別な会談で、中米の新型の多国間関係およびそれにふさわしい軍事関係の構築を提起した。新型の大国間関係の中身について、習主席は「非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン」と概括した。つまり対話と相互信頼を新たな水準に高め、協力・互恵の新局面を切り開き、大国の相互作用の新たなモデルを築き、溝を管理・コントロールする新たな方法を探るということだ。それにふさわしい軍事関係とは、根本的に言って、中米両大国の軍がいかに相手を受け止め、付き合うかという問題を解決するということだ。単方向の主導ではなく相互尊重、ゼロサムの対立ではなく協力・ウィンウィン、相互猜疑ではなく相互信頼、排他・利己ではなく開放・包容だ。新型の軍事関係の構築は、両国間の戦略面の相互信頼を深め、戦略面のリスクを解消し、安全保障上の脅威への両軍の共同対処能力を強化するうえでプラスだ。

 第3に、今回の訪問はアジア太平洋地域における中米両軍の良好な相互作用を促進し、世界と地域の試練への連携対処に中米両軍が尽力するとのプラスのメッセージを国際社会に発する。社会制度とイデオロギー上の根本的な溝、台頭大国と守勢大国との構造的矛盾、経済貿易関係の深い依存および人的・文化交流の緊密化が、中米関係が現代世界で最も複雑な二国間関係の1つであり、競争の面もあれば協力の面もあり、利益の衝突点もあれば共通点もあることを決定づけている。中米関係の基調が競争か協力かは、地域と世界の平和・安定の全局面に影響を与える。近年、東アジアの焦点となっている問題がヒートアップし続けているのは、中米関係が冷たくも熱くもなく、対立のようで対立でない状態に長年あることと大きな関係がある。日本やフィリピンは島嶼紛争と領海境界画定でより大きな利益を得ようと謀り、米国の後ろ盾を得ようとあらゆる手を尽くし、中米の対立性を強めており、中米の潜在的対立もまた問題をさらに激化させている。中米は大国であり、アジア太平洋地域における両軍の良好な相互作用という新たな発想を図り、プラス要素を拡大し、マイナス要素を減らし、対立と衝突を協力とウィンウィンのかごの中に閉じこめる責任がある。

 第4に、今回の訪問では溝の管理・コントロールの新たな方法を探り、両軍関係の摩擦や溝を適切な処理を図る。米国による台湾への武器売却、対中高強度接近偵察、対中差別的法律は、両軍関係の踏み込んだ発展に影響を与える障害であり続けている。こうした問題は両国・両軍間の戦略面の相互信頼に深刻な影響を与え、両軍の深いレベルでの協力を制約しており、中米間の軍事・安保上の問題を生む根源ともなっている。1回や2回の訪問でこうした問題を根本的に解決することは不可能だが、中米軍上層部の率直で誠意ある、踏み込んだ交流と意思疎通が問題の解決に資することは間違いない。「人民網日本語版」より

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