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世界自然と文化遺産、福建省の武夷山
武夷山は中国福建省の西北部に位置しています。1999年12月1日、ユネスコの第23回世界遺産委員会全体会議で、文化と自然の「複合遺産」として、世界遺産のリストに登録されました。
武夷山がある武夷山風景区は武夷山市の南約15kmに位置しています。武夷山は東西5km、南北12km、総面積は9万9975ヘクタール。中国の世界遺産の中で最大の面積です。山の東部は低い丘陵地域で、多くの奇峰怪石や峡谷、渓流、赤い砂岩の絶壁などがあります。そして西部は海抜の高い丘陵地域で、標高1000メートル以上の峰が120ヵ所、深さ500~1000メートルの峡谷が数十ヵ所もあります。そして最大面積の「中央アジア熱帯林」が広がっており、その生態系は完全に残されています。主な自然景観に、九曲渓風景区、天游峰風景区、一線天風景区、水簾洞風景区、天心風景区の5つの観光エリアがあります。
九曲渓風景区は九曲渓という川沿いに広がる風景区で、渓流くだりが有名です。九曲渓は三保山から出た泉が源で、全長約62.8キロで、「西から東に流れるとき、9かの湾曲がある」ということから、九曲という名前がつけられました。筏に乗って両岸の36もの峰々を仰ぎながら、流れる約10kmのコースは、幽玄で雄大な岸壁と綺麗に澄んだ渓谷と緑が満喫できます。ここはまるで中国の伝統的な水墨画の世界のようです。
武夷山の一番有名な観光スポットは「天遊峰」という峰です。海抜408.8メートルの峰は一枚岩でできています。それほど高くはありませんが、切り開かれた840段の石階段はきわめて険しいですが840段の階段を上り、頂上へ辿り着くと、そこには絶景が広がっています。この天游峰からの眺めが武夷山のなかで一番美しいと言われています。
麓から続く遊歩道から登山を始めると、やがて天游峰や隠屏峰などの奇峰に囲まれたいかにも仙人が出てきそうな雰囲気の漂う場所に出ます。頂上にある天游閣に向かって石段を登るのはなかなか容易ではありませんが、殆どの観光客は、一歩一歩しっかりと石段を踏みしめて頂上に向かいます。
狭い石段の登山道は身動きがとれないぐらいの観光客であふれ、前後左右を人々に挟まれ押されながら登ります。やがて山の中腹まで登り、ふり返ると絶景が広がります。真下には「九曲渓」の景観が広がり、エメラルドグリーンの川を筏で下って行く人達が豆粒のように見えます……
皆さん、もし福建省を訪れたら、是非、世界自然遺産と文化遺産の武夷山にお越しください。
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