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二時間目 中国の旅DX

2013-07-05 19:40:38     cri    

世界遺産、蘇州庭園

 拙政園、留園、網師園、獅子林などの蘇州の庭園は、蘇州のもっとも有名な庭園であり、1997年に世界遺産リストに登録されました。2001年、現地の滄浪亭という庭園も世界遺産にも指定されました。蘇州の庭園はその芸術性、文化性が整い、中国庭園の代表となっています。清王朝の時代に建てられた北京の頤和園や河北省の承徳避暑山荘は、蘇州庭園の造園手法が取り入れられた北方地域の庭園です。現在、蘇州の拙政園、留園、北京の頤和園、河北省の承徳避暑山荘は中国の4代古典庭園となっています。

 

 拙政園は蘇州市内にあり、蘇州最大の庭園で、中国庭園の母と呼ばれています。

 拙政園管理所の責任者、楊唯賢さんは、拙政園を次のように紹介してくれました。

 「拙政園は、明の時代、1509年に建てられました。最初のオーナーは、王献臣という人で、明の時代の中央政府で、司法長官にあたる御使を務めたことがあります。後ほど役人を辞めて、故郷に帰って、この庭園を立てました。拙政園は、面積が5.2ヘクタールで、東、中央、西という3つの部分に分けられています。この庭園の名前は、西晋の時代の文人、潘岳の本から出たもので、役人が政治を営むことは、庶民が家庭菜園で野菜などを作るのと同じだという意味です」

 拙政園に入ると、まずは緑がいっぱいということに気付きます。楼閣や東屋、築山などが巧みに組み合わせられ、非常にきれいです。楊さんによりますと、この庭園が建てられてから栄枯盛衰がありました。新中国ができてから、国は、この庭園を昔のまま復元して、公園として開放しました。これによって一般の庶民でもこの庭園の美しさを楽しむことができるようになったのです。

 拙政園の東、中央、西という三つの部分には、それぞれ特色があります。東は、広く、中央は庭園の一番美しいところであり、西は建物がきれいです。また、南の部分は住宅エリアで、中国揚子江流域の水郷という特徴があります。この庭園は水を中心にして、木々や花々が茂っており、美しいです。

 拙政園を散策すると園内の植物の配置にも気がつきました。小さいところにも造園師が気を使っています。楊唯賢さんは次のように紹介してくれました。

 「春にはツツジの花、夏は蓮の花、秋は楓やミカンの木、そして冬は梅の花などの鑑賞会が開かれます。四季それぞれの美しさがあり、観光客はいつに来ても美しい風景が見られますよ」

 拙政園の建物の梁と柱などに赤黒い漆が塗られています。この色で、建物の古さを入園者に印象づけます。これについて、拙政園管理課の陸春雨課長は次のように説明してくれました。

 「建物を改修するのに原則があります。つまり、もともとの建材、施工技術、建築方法とった三つの原則です。漆を塗るときに、今の普通のペンキではなくて、自然の生の漆を使っています。生の漆は最初の色は黒ですが、3か月後、に色は酸化して赤くなります。これによって視覚的に古びた印象が与えられます。環境保護の角度からいいますと、生の漆は、植物と動物からのエキスがミックスされたもので、環境にやさしいです。また、壁の修復にしても、石灰やパルプを使います。そして建物を修理する時は一度にすべてを修理するのではなくて、一部だけを修理します。こうすることですべての建物が新しいものだという印象を入園者に与えないように工夫しています」

 1997年、拙政園が世界遺産リストに登録されてから、拙政園管理所には、モニタリングシステムが導入されました。これについて、楊唯賢さんは次のように話してくれました。

 「今は、建物だけではなく、築山、木々などに対しても保護やモニタリングをしています。採取したデータに基づいて、もし変化が起きれば関連措置を取ります。これによって科学的に拙政園を保護することができますね」

 

 それでは、蘇州庭園のもう一つの見所、留園をご紹介します。留園も明の時代に造られました。その時代は「寒碧山荘」という名前で、庶民に「劉園」と呼ばれていましたが、後ほど、留園に改名されました。面積は3.3ヘクタール、建築などが有名です。留園について、この庭園の管理所の梅佟森さんは、次のように紹介してくれました。

 「ほかの蘇州庭園と比べて、この庭園は建築の空間的な配置が上手です。敷地面積はそれほど大きくはありませんが、建築物と空間などの巧みな組み合わせによって、感覚上は、大きな空間が作り出されました、非常にきれいです」

 この庭園の建物の扉や窓なにも彫刻が施されています。その模様などがきれいで、芸術品となっています。梅佟森さんは壁に修飾用の窓がたくさん開けられていることについて、次のように紹介してくれました。

 「壁に開けられた窓はその模様がそれぞれ違いますよ。ちょっと立つ場所を変えれば、窓を通してみられる景色も違ってくるんですね。不思議でしょう」

 昔は、庭園の中の湖などが庭園の外の川と繋がっており、水が自然と循環しましたが、今は、都市化が進んでおり、多くの川の姿が消えました。庭園の湖の水は川とは繋がっておらず、汚染されやすいのです。この水をどのようにして保護すればいいのか、梅さんが留園での試みを紹介してくれました。

 「去年までに物理的な方法或いは化学的な方法で、水を浄化していましたが、この方法は一定の効果がありますが、湖のエコシステムを破壊してしまいした。去年、湖に水草を植えて、ハクレンなどの魚を放流しました。この魚たちは水草を食べます。そのほか、カラスガイなどの貝類を入れて、水を浄化させます。これによって湖を自然に浄化させるという目標が実現しました。一年がたちましたが、今は関連指標によって、留園の水質は蘇州の庭園で一位となっています。今は水草の成長が一番速い時期なんですが、水質がよくて水が濁らず、水の底がはっきりとみえますね」

 留園を見学しているアメリカの観光客、クライグさんに出会いました。クライグさんに感想を聞きました。

 「留園は素晴らしい庭園です。ここに入るとほっとしてリラックスできます。環境にやさしい観光地として、ここには排気ガスや騒音などがなく、緑いっぱいで、気持ちがいいです」

 蘇州庭園を保護するには、個々の庭園自体だけではなく、大気汚染などを無くすことも急がれる課題となっています。梅さんによりますと、大気に二酸化硫黄の成分が多く含まれると、酸性雨になりやすいそうです。酸性雨は庭園にもよくありません。留園には有名な書道家が書いた石碑がありますが、酸性雨が石碑に落ちれば大きな被害をもたらしてきます。そのほか、酸性雨は、壁にかけられた掛け軸にもよくない影響を与えます。このため、大気などの全体的な環境保護は、蘇州庭園にとっては急務です。

 今、蘇州市は国家レベルのエコシティーの整備を進めています。これから蘇州市全体を大きな庭園にするという計画です。

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