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二時間目は、遼寧省の錦州で国際園芸博覧会が開催されている様子を伝えます。この時間では、錦州国際園芸博覧会の準備作業、花や植物、外国のパビリオン、国際古代生態パビリオン、海洋科学クリエイティブアイディアパビリオンなどをご紹介します。
遼寧省の錦州で国際園芸博覧会が開催
5月10日、錦州国際園芸博覧会が、渤海の北側、遼寧省錦州市の龍栖湾新区の北極島で幕を開けました。ここはこれまで開催された国際園芸博覧会の中でも敷地面積が最も大きい場所の一つです。その広さは7万平方キロメートル。会場は、海に面しており、園内には花がいっぱい咲いています。砂浜は10キロほどで、花畑が数万平方メートルもあります。
錦州国際園芸博覧会の水域面積は3.7平方キロメートル。その他の陸地は3.3万平方キロメートル。全てが埋立地です。この巨大な海の埋め立て工事は2ヵ月の時間を費やし、2011年10月に完成しました。そして北極島と命名されたのです。
錦州国際園芸博覧会の敷地では、2年間の準備期間を経て、インフラ整備のプロジェクトが40件施され、パビリオンが57ヵ所、観光スポットが108ヵ所建設されました。5月10日の開幕の日には来場者を2万6千人迎え、特に海のそばの庭園が人気を集めました。
2013年までに、国際園芸博覧会は30数回行われましたが、これまでの園芸博覧会は開催地にある公園や山などの場所をそのまま利用していました。今回のように埋め立て地の上で博覧会を行うのは初めてのことだそうです。開催地が海辺ということで、博覧会組織委員会は、現地のカモメをマスコットに決めました。
錦州国際園芸博覧会は、国際造園家連盟と国際園芸家協会という二つの国際組織が世界で初めて協力し開催された園芸博覧会です。テーマは「町と海、調和的な未来」です。このテーマをめぐって、錦州国際園芸博覧会では、海と庭園、町と海、人間と自然の調和的な共存を体験することができます。
IFLA、国際造園家連盟が錦州国際園芸博覧会に出展した庭園は20ヵ所あります。これは、IFLAと国際園芸家協会が合同で、世界各国と地域から募集した100件以上の作品の中から選んだものです。これらの庭園は、現代の世界の庭園作りの最高レベルを代表しています。イギリスのデザイナーが設計したアフリカの東屋公園は、アフリカの東屋、織物、小道、植物などでアフリカの独特な住居や風景などを再現しています。
アフリカの東屋公園からさらに奥に進むと、ポルトガル人が設計した元素テーマパークがあります。これについて、この博覧会景観緑化部の責任者、胡国魁さんは
「このテーマパークは、西洋の哲学の中の5つの元素をテーマにしています。土、火、気、水という4つの元素が螺旋状に配置され真ん中に集まり、第五種目の元素エーテル(霊気)が生まれたのです」
そのほか、ニュージーランドのデザイナーが設計したワカ湿地庭園では、ニュージーランドの原住民、マオリ人の建築スタイルと生活スタイルが再現されています。これについて、胡さんは次のように紹介してくれました。
「木の桟橋は、マオリ人のカヌー・ワカを表しています。入園者は、桟橋を歩きながら、この湿地の景色を楽しめます。街灯の柱もマオリ族のものです」
先ほどもご紹介しましたが、錦州国際園芸博覧会には20ヵ国と地域が出展しています。園内には1000種類以上の花が咲き乱れています。この博覧会の景観設計部の劉玉蘭部長は、園内の花について次のように話してくれました。
「園内の花は大きく分けると3種類あります。球根類だと、チューリップ、水仙、ヒヤシンス。この時期の花だと、サンシキスミレ、朝顔など数百種類があります。また、樹根類の花だと、ジギタリスなど十数種類があります」
園内には色々な種類の花があります。それぞれの場所で、花々が美しく組み合わされて植えられています。その風景はとても美しいです。
各国と地域からの庭園が20ヵ所あるほか、国内14の都市が庭園を出展し、そのほか、4つのランドマークとなる建築物があります。その中に、国際古代生態パビリオン、海洋科学クリエイティブアイディアパビリオンがあります。
国際古代生態パビリオンには、古代の化石が300点展示されているほか、恐竜などの複製品も展示されています。この300点の化石は、錦州市民の張和さんが寄付したもので、殆どが恐竜の化石や木の化石です。
なぜ化石を寄付したかについて、張和さんが話してくれました。
「私は錦州の生まれ育ちです。これまで30年間、化石をコレクションしてきました。今年、自分の故郷でこんな盛大な国際的なイベントが開催されて、市民として本当に光栄です。博覧会に古代生態パビリオンが設置されると聞いて、自分のコレクションを全部寄付しようと決めました」
古代生態パビリオンの広さは7800平方メートル。世界最大の恐竜の展示館です。館内には、完全な恐竜の骨格の化石が100点展示されます。その中のマメンキサウルスは、アジアで体長が最も長い恐竜です。
その他、館内には4Dの映画館がありますので、大昔恐竜が生きていた時代の様子を迫力ある映像で楽しむことができます。
海洋科学クリエイティブアイディアパビリオンはこの博覧会会場の林景観の南に位置し、広さは7550平方メートル。このパビリオンは2階建ての立体オーシャンパークとなっています。2階のフロアからは海を眺められ1階に降りると、そこは海の中。美しい海の光景を上からも中からも楽しむことができるのです。ここで、海中散歩を楽しむのもいいでしょう。海中では魚などが泳いでいる様子が見られ、波の音も聞こえます。しかし、実はこの海の水は海水ではありません。それはなぜでしょうか。このパビリオンのデザイナーの一人、孫さんに聞きました。
「普通のデザインではなくて、環境保護のため、いくつかのハイテクを駆使して、今の効果を実現しました。みなさんびっくりしたでしょう」
海洋科学クリエイティブアイディアパビリオンでは、皆で海洋生物を保護するキャンペーンも行われています。絶滅に瀕した海洋生物の展示エリアでは、ジュゴンという海洋生物の写真を見ることができます。ジュゴンは人魚姫の原型とも言われている生物で、中国では国家一級保護動物に指定されており、世界でも1万頭しかいません。
孫さんの話です。
「これらの展示を通じて、入館者、特に子供に、このような生き物を保護しなければ、これから人魚姫のような海洋生物はみることはできなくなってしまうよ。と伝えます。子供たちに、海洋生物保護の意識を芽生えさせるのです」
園芸博覧会の開幕後、会場を訪れる観光客は後を絶たず大変盛況です。そのおかげで開催地周辺の村には経済効果が現れています。例えば、多くの観光客は、村の観光農園に来てイチゴ狩りなどをしています。農園のオーナー、孫雅琴さんは、観光客が2倍、3倍ほど増えた。来年はイチゴの栽培面積をさらに拡大していくつもりです。園芸博覧会の開催前は、村人は出稼ぎにいっていたが、今は、観光農園を経営して、月収も5000元から6000元ぐらいになったと話してくれました。
錦州市の一番有名な観光スポットは、筆架山風景区です。この観光地管理処の広報部長、王喜紅さんは、「錦州国際園芸博覧会の開催地と筆架山風景区は直線上にあり、博覧会にきた観光客は大抵筆架山風景区にやってくる。相乗効果が現れていると話してくれました。
皆さん、もし庭園や園芸に興味があれば、是非、遼寧省錦州市の国際園芸博覧会を訪れてくださいね。
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