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二時間目 陝西省鳳翔県の泥人形の魅力

2013-05-03 16:50:07     cri    


























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胡新民氏が取材を受けている

 二時間目は、陝西省鳳翔県の泥人形の魅力をお伝えします。

 陝西省鳳翔県の泥人形の魅力

 中国陝西省西安の兵馬俑は世界でその名が知られています。同じ陝西省宝鶏市の鳳翔県の泥人形工芸品は、国家レベルの無形文化遺産リストに登録された民間工芸品として、その名が国内外でも知られています。考古学によりますと、鳳翔の泥人形工芸品は中国の最も古くて特色のある民間工芸品の一つだそうです。

 鳳翔の泥人形は、170種類もあり、大きい工芸品は、高さ85センチの虎の像もあれば、小さい工芸品、人間の親指のようなサイズの兔もあります。鳳翔泥人形の最も有名な産地は、六営村という村です。六営村の泥人形の原材料は、現地で取れる黒い粘土です。この粘土に、もち米の粉、綿花などが加えられ、さらに加工され人形作りの材料となります。この材料で作られた泥人形は、色鮮やかで、少し大げさに表現されているのが特徴です。鳳翔の泥人形の題材は大きく3つに分けられます。一つ目は、おもちゃです。造形は動物が多く、特に十二支がよく見られます。2つ目は、薄くて軽い扉や壁にかける飾り物です。その形は、動物のほかに伝説や小説に登場する人物などのイメージがよく使われます。そして三つ目は大型の人物の造形です。民間の伝説や歴史物語の中の人物が多く見られます。このような工芸品は、別荘やお寺などの宗教活動の場所に置かれます。

 鳳翔の泥人形工芸品の一番有名な造形は、虎です。泥で作られた虎は、目が真ん丸く、耳も大きく、赤、黄色、ピンク、緑などの色が施され、とても鮮やかです。昔の職人は、虎を見たことがなかったかもしれませんが、豊かな想像力で人々が受けいれやすい虎のイメージを創りだしました。現地にはこんな習慣があります。子供が生まれて、1ヵ月目に当たる日、そして百日目に当たる日、一歳の日。これらの日に、親類たちは座った虎の工芸品を贈るそうです。子供の親は、その虎を子供の枕元に置き、うちの子が虎のように逞しくなりますようにと願うのです。

 鳳翔の泥人形作りの歴史は非常に長いです。起源を辿れば漢の時代や、始皇帝の時代にまで遡ります。陝西省民間芸術家協会の副会長、胡新民さんは、泥人形工芸品の歴史について、次のように紹介してくれました。

 「考古学者そして民俗学者の見方としては、鳳翔泥人形の造形と文化は漢の時代と唐の時代の特徴を受け継いできました。その手法としては、逞しく力強い、堂々としている、ふくよか、部分的に誇張された表現が使われているなどが特徴です。この村の村民は、かつて田畑を耕していた時、地下から漢代と唐代の泥人形千点近くを掘り出したことがあります。当時の泥人形の形などは、今の工芸品と殆ど変わらず、製作の技術にも変化はありません。また、この泥人形には、周の時代と秦の時代の文化の痕跡を見て取ることができます。例えば、座った虎の顔の造形、構図は、周の時代と秦の時代の青銅器にあった虎の模様とほぼ一致しています。また、鳳翔泥人形を作成するとき、窯から出した半製品に描く図柄も大事です。いろいろな鳥や獣などを描きます。これは点と線の組み合わせが非常に流暢で、トーテム文化の特徴を受け継いでいると思われます」

 鳳翔県六営村の道を歩いていると、両側の住宅から泥を加工する作業、泥が板に振り落とされる音が聞こえます。この音は六営村で千年近く響き続けてきました。原材料の泥を加工するのは、泥人形作りの第一歩です。一部の村民は、電動ミキサーを使っていますが、一部の村民は、昔ながらの手法、手作業を続けています。このような手作業で加工すれば、泥人形作品本来の魂を維持できるそうです。

 泥人形の製作方法について、胡新民さんは、次のように紹介してくれました。


胡氏が絵付け中

 「鳳翔泥人形の製作方法は全国の泥人形製作技法の中で一番複雑です。土の選択から完成品まで、32の手順があります。大雑把に言うと、土の選定、土の振り落とし、鋳型作り、成形、組み合わせ、乾燥、絵付けなどのプロセスがあります」

 今年47歳の胡新民さんは、小さい頃から、両親に泥人形作りの技術を教わってきました。今は国家レベルの無形文化遺産の継承者、国家一級工芸美術師匠と認定されました。2002年と2003年、胡新民さんとパートナーである、胡深さんが協力して作った馬と羊の泥人形は、2年連続で国家郵便総局切手設計部から、十二支切手のメイン図案に指定されました。そして2007年、胡新民さんが独自でデザインした「寿を祝う豚」が、再び切手の図案に選ばれました。今、鳳翔泥人形工芸品は陝西省だけではなく、全国でも名が知られた郷土工芸品となっています。一部は海外にも輸出されています。

 現地の工芸品販売店で、蛇という泥人形を買った外国人、ケリーさんは

「この蛇の泥人形は、製作技法のレベルが高くてきれいなので大好きです」

 ここ数年、鳳翔泥人形の知名度の上昇とともに、工芸品の売れ行きが好調となってきました。六営村では、泥人形作りの職人がもともとの3世帯、8人から、今の300世帯、1200人となりました。年間販売額は、1万6000元から、今は数千万元にまで増えました。


胡新民氏と胡深氏がデザインした羊.

 村民の収入が増えるとともに、泥人形作りの技術の保存と継承が促進されました。今年17歳の白炬さんは、胡新民さんの弟子となり、泥人形作りの技術を学んでいます。

 今の生活と将来について、白さんは次のように話してくれました。

 「泥人形を作るのが大好きです。この仕事は将来性があるから、胡先生の弟子になりました。今は先生にマンツーマンで教わっています。これから一生懸命勉強して、先生のような偉大な職人になりたいです」

 皆さん、陝西省の西安で兵馬俑を見て、美味しいグルメを楽しんだあと、お土産には是非、鳳翔泥人形工芸品は如何ですか?

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