北京の桜の名所、玉淵潭公園

　北京は中国の北方地域にあり、上海、南京などの揚子江流域の都市よりは、春の到来がおよそ1ヵ月ほど遅いです。北京ではどんな花が、春の到来を告げるのか、実は、いろんな花があります。例えば、連翹、モクレン、そして桜です。毎年の3月の末から4月の初旬、北京では桜が開花します。多くの市民は、休日に公園などに行って、桜の花見を楽しみます。今週の「中国の旅デラックス」では、北京の一番有名な桜の花見の名所、玉淵潭公園の桜の開花、そして人々の花見の様子をご紹介します。

　先週、私と丹羽さんは一緒に、北京市の西部にある玉淵潭公園を訪れ、取材をしました。地下鉄1号線の公主墳駅を降りて、歩いてこの公園に行ってきました。では、現場リポートを交えて、北京玉淵潭公園の桜開花、人々の花見の様子をお伝えします……

　玉淵潭公園の桜の花の様子、入園者のデータなどについて、この公園の広報担当、呂文軍さんに聞きました。

　まずは玉淵潭公園に、桜の木が何本植えられているのか、どんな品種があるか、今年の桜祭りには、どれぐらいの人が入園したのかについて聞きました。

　呂さん「桜が植えられている面積は25ヘクタールです。これは中国北方地域の大きな桜園の一つに数えられます。全体的には公園のあちこちに桜の木が植えられています。比較的集中している場所は桜花園です。桜の品種は、20種類で、およそ2000本が植えられています。大きく分けると、早く咲く桜と遅く咲く桜という二つがあり、およそ1ヵ月にわたって、観賞することができます。今年の気温は、例年よりちょっと低いので桜は4月の末まで楽しめると予想しています。毎年、桜祭りが開かれます。今年で25回目です。3月23日から始まりました。来場者については、先月の23日から今日まで、延べ80万人が入園しました。例年の入園者はおよそ150万人ですから、桜祭りスターとから今日で11日、時間的にちょうど半分ぐらいなので、これからお客さんがまだ、いっぱい来るだろうと思います」

　この公園の桜の品種について、呂さんは「園内には20ぐらいの品種があります。桜は中国原産のものもあります。その中の一部は、中国南部の江蘇省と浙江省が原産の品種で、一部は日本の品種です。この公園で一番早く咲く桜は浙江省の山桜という品種です。20数年間の栽培と改良によって、この品種はきれいな花を咲かせています。日本の品種は、染井吉野なんですが、長年の栽培と管理によって、この品種も北京の土、乾燥している気候などにも慣れてきたと思います」

　桜の栽培で一番苦労されたことはなんですか。

　呂さん「桜は通常、湿気の多い環境、そして通気性のいい土、弱酸性の土が適しています。しかし、北京は気候が乾燥していますし、土はアルカリ性です。これまで長年、ミニ気象ステーションを設置して、園内の環境を改良して、技術の面では結構苦労していました」花見のほか、どんなイベントが行なわれますか。

　呂さん「春の到来をテーマにした撮影コンテストや、玉淵潭公園の歴史を振り返る展示会、園内の花についての科学知識展示会、ロボット展示会などを行います。そのほか、今年は中国西南部の貴州省の特産品を集めて、展示即売会を催しました。ここで、貴州省の銘柄商品、緑茶、お酒、豆板醤などが販売されています。このほか、湖で船を漕ぎながら、花見を楽しめます」……

　このほか、花見をしている欧さんに花見の感想を聞きました。

　欧さん「桜の花がとてもきれいですね。実は今日8時ぐらいに、玉淵潭公園に来ました。写真を撮ったり、ビデオを撮ったりして、お昼を食べるのも忘れました。桜の花が大好きなので、毎年、桜の花を観賞に来ますよ。本当にきれいですね。大抵、桜の開花の時期に、2－3回ぐらい花見にきます。今は花びらが白っぽいですね。10日後、ほかの場所で、ピンク色の桜の花が咲きます。10日後また来ます」……

　ということで、北京の桜の名所、玉淵潭公園の桜の開花の様子、人々の花見の様子などをご紹介します。今年の満開は、4月13日から15日までだそうですが、花見をしたいならばお急ぎ、地方の方々がもし見てみたいならば、この公園には、晩く咲く桜の品種もありますので、是非近いうちに訪れくださいね……（取材記者：任春生）