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二時間目 中国の旅DX

2013-04-05 17:07:30     cri    

北京の昔の物売りの声


























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 昔、街角、横丁、物売りはカゴを担いで、片手で耳を覆って、大声でお客さんに呼びかけました。以前は旧正月の2日目になると、物売りの鯉などの魚を売る掛け声が聞こえました。北京人にとって、この日は弁財天を祭る日です。そのため、魚屋さんは桶を担いで、魚を売りにくるのです。そしてお客さんは、その声を聞きつけて洗面器などを持って、魚を買いに行くのです。

 北京の人々は、葱、韮、春野菜のチャンチンを売り歩く声を聞くと、あ、春になったとすぐにわかります。物売りは、手提げカゴを持って、歩きながら、野菜を売ります。野菜の新鮮度を保つため、カゴの底や野菜の上に水に濡らした布を敷いています。カゴの中には細い柳の枝で縛られたチャンチンなどの野菜が並んでいました。

 夏になると、北京の人々は、さっぱりとした甘さの梅ジュース・酸梅湯をよく飲みます。真夏日、冷たく冷えた酸梅湯を飲むととても気持ちがいいです。多くの北京人にとって、小さいころの夏の思い出といったら、この冷えた酸梅湯でしょう。

 また、秋になると「強烈な臭いの豆腐・臭豆腐、韮の花の漬物、胡瓜の漬物」を売る掛け声が聞こえます。この掛け声を聞くと、秋の到来がわかります。

 そして冬になると、焼き芋屋が、街角を歩きながら、焼き芋~!とお客さんに呼びかけます。焼きたての湯気が立つサツマイモをふうふうしながら食べますと、その甘味と旨さは絶品です。

 さて、北京語で、一気に掛け声を発してお客さんに呼びかけると、非常に面白いです。これについて、北京の掛け声の第一人者である臧鴻さんの息子、臧泉江さんは、次のように話してくれました。

 「北京の昔の物売りの掛け声は独特なふし回しです。それは歌のように聞こえます。北京は古い都ですから、とても礼儀正しく、掛け声の中には尊敬語がたくさん使われています」(臧泉江)

 しかし、同じ物売りの掛け声でも、北京の東西南北で、掛け声の節回しが違います。臧泉江さんによりますと、北京の西北部の掛け声は長く伸びます。その理由は、この地域にはお金持ちの邸宅が多く、声を伸ばしたほうが、邸宅の奥にいる人によく聞こえるからです。それとは逆に、南部では、声を長く伸ばしません。南部には貧しい人々が多かったからです。

 実は、昔、北京の物売りたちは、声だけでなく音が出る打楽器も使っていました。打楽器を使うと掛け声がさらに美しく聞こえます。たとえば、昔の床屋さんが打楽器を使います。そして、物売りは木魚を敲いて、薄いパンみたいな食べ物、シャオビンや揚菓子、マーファーを売るときに使います。朝、この打楽器を鳴らしながら、焼きたてのシャオビン、揚げたてのマーファーですよと呼びかけます。また、今でも北京の郊外では物売りは、拍子木を使って、ごま油を売ります。

 先ほど音が大きかった打楽器をご紹介しましたが、実はわざわざ音の小さい打楽器を使うこともあります。その音はディディダダとかすかに聞こえる程度なので、よく聞かないと聞き逃してしまいます。多くの人に聞いて欲しい音なのに、なぜこんな小さな音しか出さないんでしょうか。不思議ですね。実はこの打楽器の持ち主は、ゴミ拾いをする商売をしています。ゴミ拾いといっても街角の空き缶などを拾うとき、この打楽器を使うわけではないんです。高級なゴミ、いわゆる、指輪や腕輪などの宝飾品を回収する業者が、この打楽器を使います。横丁や町を歩きながら、これを鳴らします。この音が聞こえたら宝飾品をを回収に来たとわかります。つまりどういうことかといいますと昔、商売がうまくいかず倒産した家や放蕩息子のせいで家が潰れてしまった金持ちが、宝飾品などを回収する業者をこっそりと家に呼んで貴金属を売ったのです。なるほど、あまり人に知られたくないはずですね……(任春生)

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