先週は、上海蟹特集の前半をお送りいたしました。その中で上海蟹の名前の由来、中国国内の主な養殖地や、そして一番美味しいといわれる陽澄湖の蟹をご紹介しました。上海蟹は、上海より南の広東省や福建省から北の遼寧省まで広範囲で養殖されていて、これが全国に出回っています。
先週は、吉野さんの市場からのリポートと、蟹をゆで上げる前のした処理までをお伝えしましたが今週は、上海蟹特集の後半、上海蟹の調理法、食べ方などについてお伝えします。どうぞ最後までお付き合いください。では、後半に入りましょう。
高級品の蟹は生きた蟹が動かないよう、しっかり縛られていることが多いんですが、市場では水槽に入っていたり、桶にそのまま入っていることが多いので、扱いには注意が必要です。甲羅の端を上から持ちます。こうするとはさみに噛まれません。汚れをしっかり落としたら、いよいよゆでる作業です。用意するのはネギ、ショウガです。蟹をゆでる時にネギ、ショウガの薄切りを入れます。ゆで時間は30分。寄生虫がいる場合があるので、ここはしっかりとゆでます。
ゆであがったらいよいよ食べられますが、食べるのにも順番があります。一般的な食べ方は、甲羅を下にして、尻側から開いて甲羅を外します。まず甲羅の中の卵と蟹味噌を味わいます。そして腹の回りの肉、最後に脚の肉という順序が一般的です。上海蟹を食べるといったら蟹味噌を堪能することですよね。中国の方は真っ先においしいところから食べるんです。何もつけずに食べても美味しいんですが、付け合せに最高といわれているのは「黒酢」です。山西省の黒酢は有名なんですが、この場合は、江蘇省の鎮江の黒酢をお勧めします。少し甘みのある酢でいいんです。
そして、黒酢にショウガを千切りにしたものを入れて、一緒に食べます。これには理由があります。中国漢方医学では、蟹は体を冷やす性質の食べ物と言われているんです。ですから体を温める作用のある生姜と酢で、バランスをとるんです。にんにくとか、醤油を足しても美味しいです。レストランでは最後に生姜と砂糖を加えた、甘い茶が出される店もあるんですが、これも体を温めることが目的なんです。冷え性の女性なら一日1匹までしか食べてはだめですよ。
上海蟹のほかの調理方法もあります。揚子江地域では、酔蟹という料理があります。蟹を生で老酒(紹興酒)に漬けたものです。1年~2年目の小さい蟹を、白酒に塩、花椒、ウイキョウ、丁字を混ぜた液に漬けます。生の身に酒の味がしみこんで、おいしい一品となるんです。レストランのほか、工場生産も行われていて、普通のスーパーで、ガラス瓶に入れて密封し売られている商品があります。これは開封して直接食べても良いし、過熱して食べても良いです。ただし要注意なのでは、上海蟹には寄生虫が寄生している場合があり、飲用できる程度のアルコールではこれら寄生虫は完全に死なないんです。信頼できるブランドものもを買うか、レストランで食べてください。
それから蟹を食べるのは面倒という方にはおすすめの料理がありますね。蟹味噌小籠包です。蟹味噌を取り出して、調味料として使うものです。蟹味噌小籠包は味が濃厚で美味しかったです……(任春生)
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