河北省最後の目的地、承徳市は北京の北東250キロ。世界遺産のある街として知られています。
その世界遺産が御覧の「避暑山荘」と「外八廟」と呼ばれる寺院です。承徳市は高原の涼しい気候で、かつて清王朝が夏の間の避暑地としてこの「避暑山荘」で政務を執りました。避暑山荘は紫禁城と似ていて用途に応じた建物が奥へ奥へと続いています。
夏の間だけの施設ですので建物は比較的地味ですが、ここを起点に湖や寺院。また取り囲む5つの山にも王朝のための施設が作られ、広大なスケールです。山荘や寺院、焼き物などここで使われた金は膨大な量に及び、さらに外国からの高価な貢物の数々の展示を見ると、当時の清王朝の圧倒的なスケールと権勢のほどがよくわかります。
この「避暑山荘」のスケールに驚いた後、それ以上に驚く施設をこの日、見学しました。「21世紀の避暑山荘を築く!」をキャッチフレーズに、今承徳市では国家的なプロジェクトの文化産業の拠点づくりが進められています。承徳市の郊外に、旅行客を誘致する、劇場や、ホテル、ウインタースポーツ施設などを、総投資額20億元をかけて建設中です。その核となるのがこの野外ステージです。
ここで清王朝を舞台にした壮大な野外劇が行われるのです。後ろの山もステージの一部です。去年6月に始まり公演は夏の間の5カ月で今年が2年目です。スタートは夜8時。
こんな雰囲気のステージになります。
本物の馬が走りまわり、空に稲妻が走り、遠くの山の頂上に鹿の姿が浮かび上がり・・・
中でも、斬新なのは生のステージの背景にふんだんに映像が取り入れられていて、これまでの野外劇のイメージを大きく超えるものになっています。
担当の人が「世界にここだけしかない野外劇です」と胸を張っていましたが、文化芸術分野の中国の才能を集めたといううたい文句がうなづけるものでした。また、「収支の見通しは?」という私の質問に「当面、収支は度外視します。まず、ブランドイメージを作り上げることに全力を挙げますという」担当者の言葉に、中国が国家的プロジェクトで行うときの、他の国ではまねのできない底力のようなものを感じました。
この野外劇、写真では十分に表現しきれません。一見の価値は十分にありそうです。
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