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政府活動報告概要(七)

2012-03-05 11:02:41     cri    
 二 二〇一二年度の全般的活動計画

 わが国の発展は今もなお戦略的チャンスに恵まれた重要な時期にあり、かなり長い期間にわたって経済の安定したより速い発展を保ちつづける上で有利な条件が多く備わっている。具体的には、①工業化、都市化と農業の現代化が急速に推進され、消費構造と産業構造の高度化に向かう中で、巨大な潜在的需要が孕まれていること。②三十数年にわたる改革開放によって、わが国では発展に向けた良好な物的基盤と体制的条件が整い、マクロ・コントロールの経験がたえず豊富化されてきたうえ、企業の競争力とリスク回避の能力も著しく高まったこと。③東部地区のイノベーションと発展の能力が強まり、中・西部地区と東北地区など旧工業基地の発展の潜在力が順調に引き出されていること。④経済発展の伝統的な優位性が依然として存在し、労働力の資源が豊富な上、資質も向上していること。⑤財政収支の状況が良好で、金融システムの運営が安定した状態にあり、民間の資金もかなり潤沢である。一方、世界の経済・政治的枠組みが今深く変化しつつあるものの、平和、発展、協力が依然として時代の流れであるため、こうした情勢は全般的にはわが国の平和的発展に有利である。われわれは自信を固めた上で、有利な条件と積極的な要因を巧みに活かし、引き続きこの戦略的チャンスに恵まれた重要な時期をとらえ、一段と活用することにより、経済の安定したより速い発展を促し、わが国の総合国力と国際的影響力をたえず強めていかなければならない。

 われわれは中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、鄧小平理論と「三つの代表」の重要思想を指針として、科学的発展観をより一層徹底させていく。これを踏まえて、安定を保ちながら経済の発展を求め、マクロ・コントロールを強化、改善するとともに、経済の安定したより速い発展を保つことや経済構造の調整とインフレ期待の管理との相互関係を引き続き上手に処理し、経済発展パターンの転換と経済構造の調整を速いテンポで推進する。そして、内需とりわけ消費需要の拡大、自主イノベーションと省エネ・排出削減、改革開放の深化、それに民生の保障と改善に力点を置くほか、社会主義の経済建設、政治建設、文化建設、社会建設及びエコ文明の建設を全面的に推し進めなければならない。

 今年度の経済・社会発展の主要目標は次の通りに設定する。①GDPの成長率を七・五%とする。②都市部新規就業者数は九〇〇万人以上とし、都市部の登録失業率を四・六%以内に抑える。③消費者物価の上昇率を四%前後に抑制する。④輸出入総額の伸び率は一〇%前後とし、国際収支の状況を引き続き改善する。それと同時に、産業構造の調整や自主イノベーション、省エネ・排出削減などの面で新たな進捗を遂げ、経済成長率と同じペースで都市・農村住民の実質所得・純収入の増加をはかる。ただ、ここで重点的に説明しなければならないことは、次の二つの点である。①GDP成長率の目標値をやや下方修正したのは、主として第十二次五ヵ年計画の目標に逐次リンクさせるとともに、各方面が経済発展パターン転換の加速や経済発展の質とパフォーマンスの確実な向上に力点を置くよう導いて、より長期にわたって一層高水準でより良質な発展につなげていこうとしているからである。②消費者物価の上昇率を四%前後に抑えることをうち出したのは、輸入型のインフレ要因や生産コスト増大の影響と住民が受け入れられる度合を総合的に考慮するとともに、価格改革のためにも一定の余地を残すためである。

 諸般の状況を総合的に勘案した結果、積極的な財政政策と穏健な金融政策を継続して実施し、さらに情勢の変化に応じて適時かつ適切に事前調整または微調整を行い、政策の的確さや柔軟性、予見性をいっそう高めていかなければならない。

 引き続き積極的な財政政策を実施する。①適度な財政赤字と国債の規模を維持する。今年度、財政赤字は八〇〇〇億元に定め、その内訳は、中央財政の赤字額を五五〇〇億元、中央が地方に代行して発行する地方債を二五〇〇億元として、赤字率を一・五%前後までに引き下げる。②財政支出の構造を最適化し、重点を際立たせる。教育、文化、医療・衛生、雇用、社会保障、保障タイプ住居プロジェクトなどへの投入を大幅に増やすなど、予算の民生分野への傾斜配分にいっそう重きを置く。ウィークポイントの補強にいっそう力を入れ、「三農」や未発達地域、科学技術イノベーション、省エネ・環境保護、水利、地質調査・鉱物資源探査などへの支援を強化する。③勤倹節約にいっそう励み、「三公経費」を厳格に規制し、会議と公文書の削減に力を入れ、公用車使用面の制度改革を深化させて、さらなる行政のコストダウンを図る。ビル・公会堂・ホテル・ゲストハウス建設の規模と建築物の規格を引き続き規制し、大型スタジアム・体育館の建設への支出を圧縮する。重点分野や重点部門、重点資金に対する会計検査を全面的に強化する。④構造的減税を実施する。小企業・零細企業と自営業者の発展を支援する諸般の租税優遇策を本格的に実施し、充実させるとともに、営業税から付加価値税へ試験的に移行する作業を行う。引き続き行政管理・サービス関連費用・料金徴収と政府系基金を整理、再編し、規範化させる。⑤地方政府の債務に対する管理とリスク対策を強化する。債務を分類して管理し、それぞれの実状に応じて扱い、逐次解消するという原則にしたがって、引き続き政府の債務残高を適切に処理する。また、地方政府の資金調達受け皿会社をいっそう整理し、規範化させる。いかなる形であれ各級政府が規則違反の保証や承諾を与えることを断固として禁じる。それと同時に、短期的な対応策と長期的な制度上の整備を結びつけて、地方政府の新規債務を厳しく抑制するとともに、地方政府の債務収支を仕分けて予算管理の枠に組み入れる。

 引き続き穏健な金融政策を実施する。金融の総量を適正化し、慎重かつ柔軟な運営を進めるという要請に基づいて、経済の安定したより速い発展の促進、物価安定の維持と金融リスクの予防をともに配慮する。①さまざまな金融政策手法の総合的な運用により、マネーサプライや銀行貸出資金の需給を上手に調節し、社会の融資総量の適正な伸びを保つ。広義のマネーサプライ(M2)の伸び率は一四%とする。②銀行の貸出構造を適正化させ、建設中または建設の継続を必要とする国家重点プロジェクトと保障タイプ住居プロジェクトの建設をサポートし、産業政策に合致し、かつ市場ニーズのある企業、とくに小企業・零細企業への金融支援を強化することにより、実体経済部門の資金調達コストを確実に引き下げる。エネルギー消費が過大、汚染がひどい、生産能力が過剰といった業種への融資を引き続ききびしく規制する。③人民元為替レートの形成メカニズムを充実させ、人民元為替レートの管理変動相場制の柔軟性を強め、人民元為替レートの合理的な均衡水準での基本的な安定を維持する。外国為替市場の発展に力を入れ、外貨建て金融商品を豊富にし、同市場の主体のためにより多くの為替ヘッジのツールを提供する一方、外貨準備をよりよく管理、運用する。④金融のシステムリスクの予防と監視・管理を協調する仕組みを確立し、健全化させ、リスク回避能力を強める。クロスボーダーの資本移動に対する監視を強化する。各種の貸借行為を規範化する一方、民間金融の健全な発展を導く。

 今年度の活動に全面的に取り組むには、発展理念の基調を際立たせ、あくまで活動の基軸にしたがい、統一的に企画して各方面に配慮し、バランスよく推進するという方針を守りつづけた上で、経済の安定成長と物価の安定化や経済構造の調整、さらに民生の優先、改革の強化、調和の促進、これらをよりよく結び付けなければならない。経済の安定成長とは、内需拡大と外需の安定を維持し、実体経済の発展に大いに力を入れるとともに、内外のさまざまな不安定・不確実な要因の影響を乗り越えることに努め、兆候や傾向のある問題を早急に解決し、経済の安定した運営を維持することである。物価の安定化とは、引き続き総合的措置を講じて、物価総水準の基本的な安定を保ち、下落に向かいつつある物価の反騰傾向を防ぎ止めることである。経済構造の調整とは、支援分野と規制分野を明確にし、経済成長の質とパフォーマンスを向上させ、経済発展の調和性と持続可能性を増強させることである。民生の優先とは、あくまで民生の保障・改善を活動の根本的な出発点と立脚点とし、社会の公正と正義の促進をいっそう際立たせ、人民大衆が実益を得られるような仕事を確実に行うことである。改革の強化とは、より大きな決意と精力で改革開放を推し進め、経済の長期にわたる健全な発展を妨げる体制的、構造的な矛盾の解決に力を入れ、一部の重点分野とカギとなる部分で新たな躍進を成し遂げ、開放によって改革、発展、イノベーションを促進することである。調和の促進とは、改革、発展、安定という三者の関係を正しく処理し、さまざまな矛盾とリスク要因を積極的かつ効果的に解消することにより、局部的な問題が全局的な問題にエスカレートしてしまうのを防ぎ止め、社会の調和と安定を促進することである。

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