寒山寺
ライトアップの中きれいに輝く寒山寺、5000人の観光客が詰め掛けた境内は静まり返っていました。響き渡る壮厳な鐘の音色、ゆっくりと目を閉じ合掌する人もいれば、鐘楼を高く見上げ目を輝かせる人もいます。今か今かと待ちわびる人々、そこには国境など関係なく、人々の幸せ、願い、友好を乗せた鐘の音だけが鳴り響きます。
楓橋夜泊
張 継
月落ち烏啼いて霜天に滿つ
江楓漁火愁眠に對す
姑蘇城外寒山寺
夜半の鐘聲客船に到る
日本でもよく知られるこの詩でもわかるように、寒山寺は日本人の間でも親しまれています。今回の除夜の鐘イベントのテーマは「除夜の鐘を聴き、世界平和を祈る」で、寒山寺の外側に並ぶ屋台は早くから観光客で賑わい、寒山寺の前には、除夜の鐘を待つ観光客の行列が見られました。
(第33回)寒山寺「除夜の鐘」イベントの様子
午後11時45分ごろ、寒山寺の住職秋爽大師が除夜の鐘が撞き始め、駆けつけた大勢の観光客は鐘の音に耳を傾けました。そして、新年を迎えるカウントダウンが始まり、108回目の鐘が響き渡るとともに新年を祝う歓声に包まれました。イベントに参加した地元、蘇州の観光客は、「今回初めて現場で聞いて感動した、新年を迎えたという雰囲気がすごく伝わってくる」と語りました。子供の観光客も、「新しい年に、お父さんお母さんがずっと健康でいるよう願い事をした。勉強も頑張っていい成績が取れるようお願いした」と新年に向けての抱負を語りました。
日本の大阪から寒山寺のイベントに訪れた観光客は、「寒山寺に来たのは初めてで、正月を海外で過ごすのも生まれて初めて。でも、実際に鐘の音を聞くと、日本で聞く鐘の音とはまたひとしお違った感じがしてしんみりします。日本と中国は一緒に発展していくべき隣国なので、これから文化交流を含めていろんな友好活動を頑張って欲しい」と感想を語りました。また、初めて中国を訪れてこのイベントに参加した観光客は、「新年はお祭りなので、このような中で、初めて108回の除夜の鐘を聞けて貴重な体験をした。来年は日中国交正常化40周年を迎える年なので、若者が友好の担い手になっていけたらなと思う」と話してくれました。
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