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「中国ボランティアシリーズ6」「愛有戯」児童快楽劇団からのプレゼント

2011-11-08 17:14:03     cri    

 このほど「愛有戯」児童快楽劇団が製作した映画―『最も美しい未来』が完成しました。スタッフと出演者はすべて、ボランティアと留守児童(両親が出稼ぎに出て留守を守る子ども)たちでした。

 「愛有戯」児童快楽劇団は2009年に創立しました。もともとは、無償献血の宣伝映画を製作するために、成都市青年ボランティア協会が公共劇団を立ち上げたのが始まりです。その後、大勢のプロと愛好者が劇団に参加し、2010年、劇団は発展に応じて「成都市錦江区愛有戯団地文化発展センター」に名前を変更し、これまで留守児童のためにいろいろな働きをしてきました。

 現在の責任者は劉飛さんという女性です。彼女は2006年から、「小琴」というある留守児童を援助し始めました。小琴さんが音楽が好きだと聞いて、劉飛さんは電子ピアノを贈りました。そして1年後、劉飛さんは実際に小琴さんに会いに行きました。小琴さんはとても喜び、劉飛さんに電子ピアノを弾いて聞かせました。しかし演奏は問題ありませんでしたが、指の動きは全くでたらめでした。ピアノの先生がいなかった小琴さんは、この1年間ずっと独学で練習してきたからです。このことがきっかけで劉飛さんは支援について深く考えるようになりました。

 「単純に物とお金の援助がまったく足りていないんです。本当に留守児童を助けたければ、精神や心理的な援助ももっともっと必要です。彼らはいったい何を求めているのか?これを大事にしなければなりません」

 そんな時、四川省青年団委員会が出稼ぎ農民の子どものために、映画を作ることを計画していました。劉飛さんとボランティアたちはこの情報を聞きつけ、すぐに委員会と連絡をとりプロジェクトの参加を申し込みました。そして見事に担当者に任命されました。

 それから快楽劇団を立ち上げ、『最も美しい未来』の撮影が始まりました。

 映画のロケ地は四川省夾関鎮漁バ(土辺に貝)村です。劉飛さんたちはさっそく現地へ向かい、考察を行いました。そして子どもたちはかなり親の愛情に飢えていることを肌で感じました。

 『最も美しい未来』の中で、「破爛王(ごみの王様)」という子どもが登場します。これは実在の子どもの物語です。「破爛王」は本来なら学校へ行き、活気に溢れ、夢がたくさんある少年のはずです。しかし、彼は学校に行きたくない、ほかの子どもとも友達になりたくないと思っています。毎日、ごみの中でリサイクルできるものを拾って売ります。「両親はお金のために家を離れたのです。もしお金があれば、両親はほかのところに行かずに済み、ずっと自分と一緒にいられる」と「破爛王」は考えたのです。これがたった8歳の子どもの理想です。実はこのような考え方を持つ子どもは、少なくないのが現状です。

 劉飛さんは「私たちの調査で、『破爛王』がたくさんの留守児童を代表していることがわかっています。これは私が最も心配していることです。私は、『一番ほしいのは何?』と子どもに聞く時、彼らは『お金を稼ぎたい』と答えるのです。彼らは頭の中で、すべての問題の原因はお金で、お金があれば、何でも解決できると思っています。自分が村で留守児童になってしまった原因は、両親がお金を稼ぎに行ったからだ。家が貧しく、お金がないからだと。あえて言うなら、『破爛王』の道はとてもあやうい道です。彼はお金のために、どんな悪いことでも気軽にやってしまう可能性があります。私たちの映画は、これらの問題にクローズアップしました。留守児童たちには大人が必要なんです。正しい考え方を教えなければなりません」と語りました。

 この映画を製作した目的は、より多くの人が留守児童を支援するようになることです。映画に出演した子どもたちも撮影の中で、いろいろ勉強できて、精神的にも成長しました。子どもたちは役を演じることで、役の気持ちを感じることができ、心を開くことができたのです。そして、劇団には2人の精神科医も子どものためについていてくれました。子どもの心理問題を解決し、正しくて健全な考え方を子どもたちに教えてあげました。これも劉飛さんと「愛有戯劇団」が今後も目指していく方向です。

 劉飛さんは、「快楽劇団のプロジェクトはもう何回も行っています。現在基金会の援助も申請しています。できれは、1つの学校で、あるいは1つの団地で、長時期にわたってこのプロジェクトを続けていきたいです。お金だけでは、留守児童の問題を解決できません。そして、1回や2回だけの問題でもありません。専門化、制度化、プロジェクト化、これが最も必要なものです」と語りました。

 夾関鎮漁バ(土辺に貝)村以外に、劇団は蘇坂、温江、大源の3ヶ所で同様のプロジェクトを行いました。今後、「愛有戯劇団」はもっと多くの所に行って、もっと多くの留守児童に喜びと希望を与えたいと願っています。

 物とお金だけではなく、精神的に留守児童を保護すべきです。彼らに夢を持たせ、健全な目標を目指す子どもになってほしい。そして楽しく成長できるように、「愛有戯」のボランティアは努力しています。

 『最も美しい未来』に出演した「破爛王」は現在、ほかの子どもと友達になりました。ごみを拾って、売ることばかりでなく、よく友達と遊び彼らと一緒に大事な少年時期を楽しんでいます。これが劉飛さんが得た最も大きな収穫です。(オウギ、吉野)

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