会員登録

中国の第11次5カ年計画を総括

2011-03-22 14:35:44     cri    
  中国の第11次5カ年計画(2006-2010年)が終了しました。中国はこの期間、100件にも上る国家レベルの重大プロジェクトを実施しました。これらのプロジェクトにより、経済構造の最適化が進み、地域間でバランスの取れた発展が促されました。また教育・保健・文化などの社会事業を充実させ、全国範囲で省エネ・排出削減の取り組みが積極的に進められました。

「安全な飲料水とメタンガスを農村に」政府、100億元を拠出

 国務院は2007年5月に「全国農村部における飲料水安全プロジェクト『第11次5カ年計画』」を批准し、同計画の期間中に農村人口1億6000万人の安全な飲料水を確保するよう求めました。

 国家発展改革委員会によると、2006年以降、同プロジェクトに投入された中央財政投資はあわせて590億元に上るということです。これにより、全国農村部の居住者および学生・教職員2億1500万人の飲料水が確保され、所期目標を大幅に達成しました。

 第11次5カ年計画の実施以来、中国はこれまでに計212億元を拠出し、メタンガス・プロジェクトを推し進めてきました。このほか、2007年には510億元を投じて、ダム6240基の補強工事を計画・実施しました。昨年は農村部の倒壊の危険性がある家屋を対象とした補修・再建試験プロジェクトを立ち上げました。この2年間で、農村危険家屋200万世帯の補修・再建に中央政府の交付金あわせて115億元が充てられました。

食糧品の大型生産拠点の建設をスタート

 食糧品の供給増加や食糧需給の緊張緩和、食の安全確保に向け、中国は▽食糧品の大型生産拠点建設プロジェクト▽農産物の品質安全検査体制確立プロジェクト▽近代化農業の試験構築プロジェクトを立ち上げました。

 これまでに黒龍江省、山東省、湖南省などの食糧生産省(区)に生産拠点を建設しています。これは、長く続いた食糧不足から需給の均衡化、豊作による食糧余剰へといった段階的発展、および食糧生産の安定化と品種構成の最適化に重要な役割を果たしました。

 農産物の品質に対する検査能力の向上に向け、国家発展改革委員会は2006年、『全国農産物品質安全検疫検査体制構築計画(2006-2010年)』を批准しました。計画投資額は59億600万元で、うち中央財政投資は38億5200万元です。2010年現在、計上済みの中央財政投資は32億3000元、地方の付帯資金は約14億元です。この投資により、▽部級の研究センターと専門センター36カ所▽部級の地域センター13カ所▽省級の総合センター30カ所▽県級の品質検査ステーション935カ所の設置を支援されました。

円滑に進む重要交通プロジェクト

 第11次5カ年計画の期間中、▽青海省西寧と西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)を結ぶ青蔵鉄道▽旅客運送専用線路▽南北5本、東西7本の幹線国道▽8本の西部開発国道幹線▽上海国際水上運輸センターの洋山深水港プロジェクト▽長江河口深水航路整備プロジェクト▽北京首都国際空港の拡張工事▽上海浦東国際航空と虹橋空港の拡張工事が終了しました。

 青蔵鉄道のうち、全長1142キロに及ぶ格璽木-拉薩区間は2006年7月1日に竣工し、運行を開始しました。青蔵鉄道は国家重点事業と西部大開発戦略を代表するプロジェクトとなりました。

 また、武漢(湖北省)‐広州(広東省)間と鄭州(河南省)‐西安(陜西省)間の旅客運送専用線が相次いで完成したほか、京津都市間鉄道を含む都市間鉄道の計画・建設が実施されました。

 2008年北京五輪の開催に合わせて、北京首都国際空港の3回目となる大規模拡張工事が2004年3月に始まりました。投資総額は240億2400万元でした。

 上海浦東国際空港の拡張工事は投資総額185億8100万元で、2008年に完成しました。虹橋空港の拡張工事は投資総額135億3000元で、2010年に完成しました。両空港の拡張は、2010年上海万博の成功と上海の総合的な競争力の向上において重要な戦略的意義がありました。

ハイテク産業化プロジェクトの支援を強化

 さらに第11次5カ年計画の期間中には▽ハイテク産業化重大特別プロジェクト▽バイオ医薬重大プロジェクト▽国家高バイオセーフティーレベル(BSL)実験室体制の構築▽新型の地域路線用ジェット旅客機プロジェクト▽中国ラジオ・テレビ衛星中継システムプロジェクト▽産業革新能力プラットフォームの構築▽第3世代移動通信TD‐SCDMA構築▽次世代インターネット試験プロジェクト―などハイテク・情報化関連のプロジェクトも実施されました。

 「ハイテク産業発展『第11次5カ年計画』」をめぐり、中国はハイテク産業化重大特別プロジェクト41件とハイテク産業化プロジェクト630件を相次いで実施し、公共投資は95億元を超え、けん引された社会投資は619億元近くに上りました。

 TD‐SCDMAは中国が独自の知的財産権を持つ、第3世代移動通信システムの国際標準規格です。2006年3月から、国家発展改革委員会と元情報産業部、科学技術部が共同でTD‐SCDMA規模化ネットワーク技術の応用試験を行いました。TD‐SCDMAの発展は、中国情報産業を追う側からリードする側への役割転換と、自主革新による産業構造調整の促進において画期的な意義がありました。

省エネ・排出削減への取り組みを強化

 中国はここ4年間で10大重点省エネプロジェクトを実施してきました。主に▽石炭焼成炉の改造プロジェクト▽地域コージェネレーション・プロジェクト▽排熱・排圧利用プロジェクト、省エネ・石油代替プロジェクト▽エネルギーシステム最適化プロジェクト▽建築省エネプロジェクト▽グリーン照明プロジェクト▽政府機関省エネプロジェクト▽省エネモニタリング・技術サービス体制の構築プロジェクトが行われました。

 第11次5カ年計画の実施以来、中央財政が投じた10大重点省エネプロジェクトは5037件、投資総額は約3566億元に上ります。これにより、中国は1億5千万トン標準炭(1標準炭=70000kcal)に相当する省エネ能力を構築しました。

 中国国内の重点流域における水環境の悪化については、循環型経済と資源節約の重大試験プロジェクトを実施しました。ここ3年間で、発展改革委員会は中央財政予算内投資計275億元を都市部の汚水・ごみ処理施設の建設に充てました。(編集YT)

 「人民網日本語版」より

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS