撫順市（ぶじゅん-し）は遼寧省北部に位置し、瀋陽市からは45kmの距離にある、中国北部の重要な工業都市の一つです。市区全域の人口は222万人、中心部の人口は140万人です。

　かつては炭鉱都市として繁栄しました。市内には現在も、渓谷のように巨大な露天掘り炭鉱跡が残されていますが、石炭業の衰退に伴い産業転換を迫られ、現在は石油化学工業などが主要産業となっています。

　現在、撫順市は省都瀋陽の衛星都市として機能しており、1982年に日本のいわき市と夕張市と友好都市関係を結んでいます。

　また、ここは、中国人民解放軍の模範兵士とされる雷鋒が、1962年に殉職した地でもあります。彼は倒れたトラックを起す作業を指揮していた際に、車体を支えていた角材が頭を直撃し亡くなりました。その後、彼は毛沢東により「模範的な人物」と称賛され、中国全土で『雷鋒に学べ』というスローガンがかかげられ、大規模な宣伝活動が繰り広げられました。今日でも彼は英雄とされ、撫順に記念館や記念碑が建っています。（万、吉野）