「私の名前はアヌラク、南アジアのスリランカからここに来た。スリランカは紅茶、椰子と調味料が有名で、非常においしい」
「外国人が語る中国の色々」の第8回、今日の主人公はこの方です。流暢な中国語をしゃべるスリランカ人―アヌラクさん。
「スリランカのあめ色のお茶を見てください。この紅茶はコップに入れる時、いっぱいに入れないほうがいい。後でミルクを少し入れるから。」
北京市宣武区馬連道にあるお茶市場でアヌラクさんに会った時、彼は自分の店で、お客さんにスリランカ紅茶の入れ方を紹介していました。
アヌラクさんは、「中国の改革開放は中国と世界を結ぶ扉を開いた。中国とその文化を愛する無数の外国人がここを訪れ、中国文化を学ぶチャンスを得た。同時に中国の経済と社会の発展を目の当たりにしている。中国は、私に自分自身の成長を求めるチャンスを与えてくれた」と話しました。
14年前、僅か19歳のアヌラクさんは初めて中国の土を踏み、それからここに根を下ろしました。彼はこう話してくれました。「中国の武術こそが私をここに導いた。これによって、私の人生も変わった」
「私は、カンフーに興味を持っていたため、ここに来た。その前に、私はスリランカで3年間半ぐらい武術を習っていた。1995年、中国政府は、スリランカに武術勉強するため留学のチャンスを与えてくれた。私は数回にわたる選抜を経て、幸いにも中国に留学するチャンスをゲットした」
アヌラクさんと5人の兄弟はいずれも武術を習っています。家族の影響で、彼は小さいころから、ブルース・リーの映画が大好きで、いつかブルース・リーのようなヒーローになることに憧れていました。中国に来る前、アヌラクさんの中国の対するイメージはおぼろげなもので、すべての中国人を武術の達人だと想像していました。北京に来たばかりの時、周りの中国人が極普通の人だということに、彼は少しがっかりしていました。その一方、北京の林立している高層ビル、絶え間なく行き交う車と人々は彼に深い印象を与えました。
中国体育大学で武術を勉強する3年間、アヌラクさんはこの得がたいチャンスを大事に考え、まじめに勉強していました。たった2年間で、中国国家1級武士の称号を獲得したのです。またこの間(かん)、この勤勉なスリランカの若者は、中国文化にも深い興味を持つようになりました。
2000年、アヌラクさんは中国の有名な漫才師、丁広泉氏に弟子入りしました。10月に師匠とともに舞台に立ち、その指導の下で京劇などを習いました。その以来、アヌラクさんはさまざまな大きな公演とコンクールに参加し、数多くの賞をもらいました。彼は流暢な中国語とすばらしい腕前を生かして、中国の観客たちを魅了しました。
大きな成功を得ると同時に、アヌラクさんは人生最大の宝物を手に入れたのです。それは中国人の女性と恋に落ちたことがきっかけでした。このため、アヌラクさんは帰国の計画をとりやめ、中国にいることを決めました。2003年、アヌラクさんは人民大学のMBAを取得し、中国人の恋人と結婚しました。
中国にいる14年間を振り返り、アヌラクさんは、「中国は私に成長のチャンスを与えてくれた。この14年間、中国でも大きな変化が起きており、私は非常にうれしく思っている」と話しました。
「過去の14年間、中国では、大きな変化が起きた。北京を例にとれば、徹底的に変わった。今、北京で6本の環状線道路が作られ、たくさんの高層ビルが新たに建てられた。これは一言でいえないことだ。要するに、すべての中国人の努力が今日の繁栄した中国を作り出したといえるだろう」
今、アヌラクさんは正真正銘の北京人となりました。彼は中国でインプラ(IMPRA)社のスリランカ紅茶を経営しています。アヌラクさんは、「中国は緑茶の産地であり、スリランカは紅茶の産地だ。お茶は商品であると同時に、文化の架け橋でもある。私はカルチャービジネスをしたい。お茶の販売を通じて、茶文化を広げ、両国の貿易と文化の交流を促進していきたい」と語りました。2009年3月6日、スリランカの在中国大使館が主催した両国の国交樹立52周年のイベントで、アヌラクさんは、「中国・スリランカ投資貿易賞」を授与されました。彼は、「この栄誉は、これまで自分が両国の貿易を推進するために払った努力へのご褒美であり、今後もっと前へ進む原動力でもある」と話しました。
「これから、会社を更に発展させることを望んでいる。次は、スリランカの伝統細工とお酒を中国に紹介したい。中国の海南省で椰子のお酒が作られているが、全世界で最もよい椰子のお酒はスリランカで作られている。私は、両国の貿易関係の仕事を続けていくだろう」
なぜ、中国とスリランカの貿易関係の仕事をするのかという質問に対し、アヌラクさんはこのように語ってくれました。
「スリランカは私の生まれたところ、祖国だ。その一方、私は中国で成長した、中国も私の祖国だ。後5年で、私が中国にいる時間とスリランカにいた時間が同じになる。私は、2つの祖国を愛している。どちらに帰っても、故郷だ。率直に言えば、中国は私にとってもっと未練がある。ここには私の妻と子供がいるからだ」
アヌラクさんは、ずっと中国にいると言っています。かれは既に、中国と切り離せないご縁を結んだからです。
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