![]() |
これだけ見ればロシアの風景?コーヒーショップ |
今の北京で外国語といえば英語。オリンピックの影響もあって、以前と比べてかなり英語が普及したように思えますが(それでも街中で英語が通じるかといえば、日本の現状といい勝負ですが……)、ここ綏芬河の街はそれがロシア語です。前日訪れた東寧でも、ロシア語の看板を見かけましたが、自動車関係の店の看板ぐらいしか使われていませんでした。それが、北へ○キロ離れた綏芬河では、至るところでロシア語の看板を見ることができます。飲食店やデパート、さらに美容院の看板にまで使われているあたり、ロシアの人たちがここで生活していることを感じさせました。
![]() |
綏芬河駅の貨物列車 |
綏芬河はロシアの玄関口として発展してきました。ソ連崩壊後はそれがますます加速していて、中国ではこのあたりを開発区として指定したことから、「北の深セン」とも呼ばれています。道路はもちろんのこと、鉄道でもここからロシアに向かうことができます。
我々CRIの取材団が綏芬河駅近くを通りかかった時、ロシアから大量の木材を運んできた貨物列車が到着するところでした。またここはロシアの人たちが中国の製品を安く買い付けに来るところでもあります。実際、綏芬河やハルビンから、ウラジオストク方面に向かう国際バスや国際列車が運行されていることから、ここはロシアからのアクセスもかなり便利のところです。日本とは地理的な関係や交通面の問題もあり、商業的な面でのつながりは薄く、歴史的なことを除けばあまり知られていない街と言えるかもしれません。しかし旅行先にここを選べばきっと面白い体験ができるのではないでしょうか。
![]() |
商店街の看板もロシア語と中国語の併記 |
黒龍江省の省都・ハルビンを訪れた時、そこも確かにロシア的な異国情緒に溢れていましたが、それは建物などによって醸し出されたものでした。しかし綏芬河ではそれが看板や、街を歩くロシア人たちによって生み出されているといえるでしょう。中国にいながら、ロシアを楽しめる街はハルビンだけではありません。むしろ綏芬河の気取らずに、まるで普段着のように、自然に溶け込んでいる感じがとても興味深く思えました。(安藤)
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |