東寧の中国側ゲート
島国の日本になくて、中国にあるもの――それは国境。日本の場合、外国に行くためには、必ず飛行機か船に乗らなければなりませんが、中国の場合は車や鉄道でも外国に行くことができます。黒龍江省の東南部に位置する東寧県はロシアと接していて、シベリア鉄道の駅ウスリスクまでわずか53キロ、ウラジオストクまでは153キロという距離です。このことからも、東寧は中国とロシアの貿易の拠点であるだけでなく、貿易品の加工業も盛んな場所です。また、日本海に面したウラジオストクを経由しての日本や韓国との取引も、活発に行われています。ここ東寧は、まさに車と鉄道で外国へ向かう玄関口です。
タイヤの消毒用プール |
我々CRIの取材団が東寧のゲートを訪れた時はすでに夕方6時を回っていて、その日の業務もほぼ終了という感じで閑散としていましたが、それにしても、大型トラックも対応できるタイヤの消毒用プールがあるあたり、ここを通過する車が、まさしく中国とロシアの貿易を支えているのだということを実感しました。
この施設の担当者の話によると、中国の人がロシアに向かう時は、簡単にビザが取れるので行き来は容易だということですが、日本人は中国に入る時のようにビザなしで2週間の滞在が可能というわけにはいきません。歩いてすぐそこがロシアなのに、と思いながら、引き返してきました。
表示は中国語とロシア語の併記 |
私自身、学生時代の貧乏旅行で、船に乗ってウラジオストクに行き、そこからシベリア鉄道でヨーロッパを目指したことがありますが、国境を越える時はいつも、不安よりもなぜかわくわくしたものでした。実はそれは今でもあまり変わらず、深センから香港に入る時でも同じ気持ちを抱くだけに、東寧のゲートを訪れた時、次はビザを準備して陸路でロシア入りするのも面白いかも、と思いました。それにしても、こんなことを考えるのはやはり、陸上に国境がない国に生まれたからなのかもしれませんが……。(安藤)
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