会員登録

中国のアニメはここから生まれるーー平房発展基地

2009-06-11 14:13:39     cri    

黒龍江省国際アニメーションゾーン

アニメを製作中の国際アニメーションゾーンの職員

 ハルビンの中心地から南へ車で1時間ほど行った場所に、黒龍江省の黒竜江動漫産業(平房)発展基地があります。平房開発区というエリアにあるため、あたりは大きな工場などが建ち並んでいます。そこへ黒龍江政府が2006年に、総面積4万平方メートル(東京ドームの3分の2強)の敷地に、アニメに関する企業を集め、わずか3年間で中国を代表するアニメ産業の中心地の1つとなりました。現在ここには、アニメ関連企業が70社ほど、合計1500人が働いています。将来的には広さ3平方キロにまで拡大し、アニメ関係の一大ビジネスパークとする計画です。

 アニメといってもここで制作されるのは、いわゆるセル画に色を塗ってコマ撮りしていくものではなく(現在のアニメの主流はセル画ではなくコンピューターを使って色を塗ります)、3Dを含むCGアニメやオンラインゲームなど、コンピューターを媒介として制作されるものが大半です。しかもここでは作画だけでなく、声優を使った録音まで行われているので、この平房発展基地だけで本当にアニメが完成してしまうのです。

 今回CRIの一行が訪問したのは黒竜江新洋科技有限公司という3Dアニメを手がける制作会社です。この新洋科技公司は平房発展基地でアニメの制作をスタートさせた2006年、『探索地球村』というテレビアニメのシリーズで国の優秀アニメーション賞を受賞したことを皮切りに、手がけた5作品すべてが中央テレビ局で放送され、何らかの賞に輝くほどです。ちょうどこの日は、ハルピンの冬景色や、雪と氷を題材にしたテレビアニメシリーズ『雪娃』が、来年の冬のオンエアに向けて制作中でした。

黒龍江省衛星テレビ記者の取材を受ける中国国際放送局の馬博輝副編集長

黒龍江省衛星テレビ記者の取材を受ける中国国際放送局日本語部外国人スタッフの安藤直子さん

 私自身、かつてゲーム会社に勤務したことがあり、コンピューターで絵を描く現場を毎日見てきましたが、しかし、この会社の規模は想像をはるかに上回るものでした。端まで歩けば3分ぐらいかかりそうな広いオフィスに、パソコンがずらり。そこになんと100人以上(アニメ制作のスタッフは総勢150人)が黙々とマウスを操作して絵を描いている様子は、まさしく「圧巻」でした。それもそのはず。ここでは年間1600分のアニメが制作されるのです。日本では正味24分の30分のアニメを週に1本制作し、年間にすれば1248分(実際はもう少し短いと思いますが)です。それも分業した上での数字なので、これだけでもこその凄さがおわかりになるのではないでしょうか。

 現在の日本はアニメ大国と言われていますが、この中国の勢いを見ていると、近い将来、中国のアニメが世界を席巻しそうな気がしてなりませんでした。

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS