ハルビン市は黒龍江省の中南部に位置し、中国東北部の大河・松花江に面した大都市ですが、19世紀末までは小さな漁村に過ぎませんでした。1896年5月19日、清朝政府とロシアが「露清密約」に調印した後、ハルビンは東清鉄道の中心地として急速に発展しました。20世紀初頭、ロシアやイギリス、日本等がハルビンに総領事館を設置したことから、ハルビンは国際都市となりました。そのため、市内には「馬迭爾賓館」など様々な様式の欧風建築が今も残っており、「東方のモスクワ」、「東方のパリ」などとも称されています。ハルビンは東北アジア経済圏の中央に位置し、最大の中国沿海対外開放地区でもあります。
1990年から、「中国ハルビン国際経済貿易交易会」が始まり、すでに19回を数えます。今のハルビンは全世界、特にロシア及び独立国家共同体諸国や東ヨーロッパ諸国などでの貿易や経済、技術分野において重要な舞台となっています。
観光名所:
1.聖ソフィア大聖堂
聖ソフィア大聖堂は、ハルビンを象徴するロシア建築の1つです。
当初は帝政ロシアの兵士が1907年3月に、軍用教会として使われていましたが、その後、ロシアの茶商人などが出資し、拡張工事が行われ、1932年に現在の形となりました。
現在はハルビン建築芸術館として使われており、観光名所となっています。高さは53.35mで、建築面積は721㎡です。ビザンチン建築の影響を強く受けていて、平面ラテン十字形で、2000人あまりが収容可能です。最上階の鐘楼には音色の異なる7つの釣鐘があり、鳴らすと重厚な響きがします。
2.中央大街
中央大街はハルビンを代表する歴史的な大通りで、1898年に開通しました。当時の名前は中国人街(キタイスカヤ)でしたが、1925年に中央大街と改められました。
欧州風建築物が道に沿って建ち並び、71棟を数えます。その他、ルネサンス式、バロック式、折衷式などさまざまな様式の市指定建築物が13棟あり、保護建築は36棟あります。現在の花崗岩で敷き詰められた道は1924年に作られたものです。その後何度も改修が行われましたが、現在は歩行者天国となっています。
3.防洪記念塔
防洪記念塔は中央大街の北端の広場にあり、1958年10月1日に建てられた記念塔です。1957年にハルビンの街を襲った未曾有の大洪水が襲い、全市民が一致団結して食い止めたことを記念して作られたものです。
この記念塔は、22.5メートルの円柱で、その周囲を高さ7メートル長さは35メートルの古代ローマ式半円形回廊で囲まれています。また、大洪水を防いだ意気揚揚とした人々の姿を表現した彫刻が施されています。塔の頂上には、農民・職人・知識人が心を一つにした勇ましい様子を表した彫像が飾られています。
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