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「四川大地震から1年」シリーズ番組その2 

2009-05-06 19:39:57     cri    




















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よみがえるチャン族文化

 去年5月12日に発生した中国の四川大地震の震源はチャン族の定住地に位置していました。地震により、多くのチャン族文化の継承者が犠牲になり、村も破壊され、チァン族文化は大きな打撃を受けました。あれから1年間経ちました。この番組では、チャン族文化の保護と復興についてお伝えしましょう。

 今、歌を歌っているのは、今年44歳になるチャン族の王振芳さんです。彼女は、四川省映秀鎮の漁子渓村に暮らしています。自慢の喉を持っている彼女は、チャン族の刺繍も上手で、チャン族の伝統的な柄にも精通しているので、彼女が作る靴の中敷きや頭巾、前掛け、ショールなどはとてもきれいです。実はこれは人から教わったものではなく、いずれも独学したのだそうです。彼女から、人々はチャン族文化の発展の希望を見出しいます。王振芳さんは「私はまともに勉強したことがない。週末に村に帰って、お年寄りのやり方を見習って、つくってきた。彼女たちにコツを聞くと、その時にやっているものしか教えてくれないが、でも、わかりやすく教えてくれたので、すぐできた」 と語っています。

 チャン族は、中国で最も古い民族の一つであり、これまで3000年以上の歴史を持っています。昔から、チャン族の人々は主に中国西北部の国境線近くに定住していましたが、その後四川省に移住しました。彼らは山の中腹に建てられた石の家に住んでいることから、「雲の上の民族」と呼ばれています。チャン族の伝統的な建築方法で建てられた望楼は今でも、中国ひいては世界の建築歴史上のモデルとなっています。また、その服装、舞踊、楽器なども独特な民族の特色があります。

 大地震発生後、中国の政府と民間レベルの文物保護と文化遺跡研究機構は直ちに被災地に作業グループを派遣し、調査研究活動を行いました。中国文化省の多くの部門はチャン族文化生態保護区を設置し、具体的な計画を打ち出しました。四川省と陝西省の一部のチャン族定住地を対象として、域内の文物や遺跡、無形文化財の継承者に対する保護を重点にし、財政面での支援を提供しました。

 中国の周和平文化次官は、「チャン族は自分の文字を持っていないため、その文化は口頭で伝わってきた。継承者に対する保護を強化し、活動の場所をつくり、デジタル化技術を利用してチャン族文化の影響力を引き上げていかなければならない」と強調し、さらに「チャン族文化は人によって伝わるものであるため、継承者に対する保護は極めて重要なことだ。保護活動を通じて、継承者に活動の場を提供する。実物と重要な資料の収集と整理を通じて、この文化を系統的に保護する必要がある。また、引き続きデジタル博物館の内容を増やし、専門のデータバンクを設立し、現代的な科学技術でチャン族文化を保護していく」と述べました。

 北川県は、中国唯一のチャン族自治県です。チャン族文化を代々伝えていくため、北川中学校は大地震後、チャン族文化とチャン族の民謡の講座を開設しました。学校の徐先生は「私たちは今、チャン族文化のテキストの編纂を行っている。このテキストが完成したら、わが校で使う予定だ」と語りました。

今学期から、高校2年生の李春紅さんはこの講座に参加しています。チャン族文化の勉強を通じて、李さんは「これらの活動を通じて、外の人々に私たちの文化を知ってもらい、チャン族文化を全世界に広げていくことができるだろう」 と感想を語ってくれました。

 チャン族は今人口30万人で、そのうち8割以上の人が四川省アバ・チベット族チャン族自治州の茂県、汶山県および綿陽市の北川チャン族自治県に定住しています。これらの地区はいずれも、四川大地震で大きな被害を受けました。マグニチュード8の大地震により、チャン族の人々の町はほとんど破壊されました。今、町の再建活動の中で、チャン族文化の特色を強調することが再建の重点の一つとなっています。チャン族文化の保護と復興活動について、アバ・チベット族チャン族自治州の肖友才副州長は「今回の地震の中で、チャン族の定住地である茂県、汶山県、理県はいずれも被災状況がひどかった。私たちは、今まで集めてきたチャン族文化の特色と建築様式を今回の再建活動に取り入れた。民族文化に対する研究と整理のために、私たちは、茂県でチャン族文化博物館を建設する計画だ。このプロジェクトは既にスタートした」と話しました

 四川省建設局はチャン族文化の伝統と習慣に合わせて、専門の建築構造設計図を発行し、地元住民の要求に応えた住宅設計を打ち出しています。北川県のキナ・チャン族山寨はこの計画により建てられた村です。四川大地震で、北川県擂鼓鎮猫児村の多くのチャン族の人々の住宅と耕地が破壊されました。今、この土でチャン族の特色のある新しい村が再建され、「キナ・チャン族山寨」と名づけられました。「キナ」とは、チャン族の最も美しい女神を意味しており、つまり、ここは美しい女神が住むところとたたえられています。

 キナ・チャン族山寨の建設を担当していた擂鼓鎮の楊暁昆副鎮長は、「地元のチャン族住民にとって、住居の確保は第一歩であり、その後の生活面でのケアはもっと重要だ。これは、チャン族文化の発展にとっても重要な意義を持っている」と述べ、さらに「地震前、ここの住民は農業と牧畜業を頼りにして暮らしていた。地震後、新しい村ができ、現在、観光業の発展を考えている。私たちはここの71世帯を管理して、民宿や飲食店などを経営するという初歩的な計画を立てた。また、ここのチャン族舞踊と刺繍も観光業の発展を促すきっかけとなるだろう」と語りました。

 村人の士城安さんは大地震が発生する前、主に農業に従事していました。今、彼女は新しい村に引越し、町の広場で草鞋などチャン族の特色がある手芸品を販売する店を出しました。今は観光客が少ないですが、彼女は自分の未来に強い自信を持って、「観光業が一定の規模になれば、商売もよくなるだろう。より多くの観光客に私たちの村に来てほしい」 と話しました。  

  中国政府が新しく打ち出した『チャン族文化生態保護実験区企画綱要』は、地元が商業と芸術価値のある製品を開発することを奨励しています。学者たちは、「民族の特色を適宜開発することは、地元住民の生活レベルの改善と文化の継承にとってプラスとなる」としています。

 チャン族文化は中国のチャン族の人々と全ての国民から注目を集めています。人々は、チャン族文化が再び振興し、よく美しく輝くよう願っています。

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