今年69歳のラマ僧侶、ジジンドジェさんは10歳の時からタシルンポ寺に出家しました。ジジンドジェさんが僧侶になったのは、貧しい家から寺院の入ると生活上の保障と教育の機会が得られるほか、仏法への憧れもあったからです。
ジジンドジェさんは寺院の中で数十年の勉強を通じて、チベット仏教の文物専門家になりました。しかし、民主改革が実施される前、寺院の全ての事務は活仏と上級僧侶に決められ、彼は普通の僧侶として、自分の知識を生かすチャンスもありませんでした。
1959年、タシルンポ寺は民主管理委員会を成立し、そのメンバーは全ての僧侶の投票により選出されたのです。寺院の全ての事務は民主管理委員会の協議によって決められるようになりました。当時、ジジンドジェさんは委員会に入り、文物の保護と修繕の仕事を担当しました。現在、彼は民主管理委員会の責任者として、寺院の新しい修繕工事を担当しています。これについて、ジジンドジェさんは、「現在、タシルンポ寺が行っている修繕工事は12項目ある。まず、寺院の壁、棟、壁画の損害状況を確認した上で、工事を始める。また、壁画、銀器、唐卡(タンカ)、陶磁器などに対する保護プロジェクトも盛り込まれている。修繕工事は、今年初めから正式にスタートする」と紹介しました。
チベット仏教の4大教派の一つ、サキャ派の発祥地であるサキャ寺はシガツェ地区西南部のサキャ県に位置します。ここはサキャ派の最高仏学院のほか、コンピューター教室とホームページを開設しています。
サキャ寺民主管理委員会のパンデンドンジュ主任は「1999年、私たちはコンピューター教室とホームページを開設し、サキャ教派の歴史文化を全部保存した。経済のグローバル化と情報のネットワーク化が進んでいる現在、私たちも全国と政界に扉を開くべきだ。現在、サキャ寺に入るには何の制限もない。仏学院の中には、甘粛、四川、青海からの学生がいる」と述べています。
ガリ地区ブラン県の楚果(チョンゴ)寺の住持、ロサンサンデンさんはより開放的な理念を持っています。彼はアリ県でミネラルウォーターの会社を作り、地元の30人余りの就業問題を解決しました。ロサンサンデンさんは、「寺院は人々の喜捨を頼りにしてはならず、さらに人々に迷惑をかけたりしてはいけない。かえって、自らの力で人々に福祉をもたらすべきだ。このほかに、私たちは老人ホームを作った。お年寄りたちの衣食住は皆、寺院が負担している」と述べました。
1986年から、僅か10数人の僧侶がいる楚果寺は地元で、お年寄りを引き受ける活動を始めました。また、観光名所に位置する楚果寺は、観光客に飲食や宿泊、医療などの無料サービスを提供しています。
ロサンサンデンさんは、「現在、チベット仏教は社会と触れ合い、社会の発展と歩調を合わせ、社会に貢献すべきだ」としています。
民主改革が実施されて、50年経ちましたが、チベットの僧侶たちの生活スタイルが現代化され、その社会的な責任感もますます強くなってきています。一方、仏法の研究と自身の修行は依然として、彼らにとって最大の目標です。中国政府はチベットで、自由な宗教信仰政策を実施しており、チベットの寺院の建設と合法的な宗教活動を支持しています。現在、チベットには1700カ所の宗教活動施設があり、僧侶が5万人近くいます。寺院の中の伝統的な宗教活動や活仏の継承方式も国に認められています。
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