長野県出身の小平奈緒選手(22歳)は日本のスピードスケート界から熱く期待される未来の星です。中学2年という若さで全日本ジュニア(スプリント)優勝。信州大学へ進学後は、五輪の銀メダリストを育てた結城匡啓をコーチにつけて全日本スピードスケート距離別選手権大会1000m、1500mで優勝しました。去年は年末に足首を怪我して、それから1ヶ月ほど試合に出られませんでしたが、今回中国のハルビンで行われたユニバ冬季大会で見事に復活。スピードスケート女子1500mでは金メダルを手にしました。
小平選手に初めて会ったのは開会式の2日前、スピードスケートの試合会場で日本代表が練習している時でした。想像とかなりかけ離れ、小柄でスピードスケート選手にありがちな太い足もまったく目立ちません。この少女が氷上で本当に時速百数十キロの速さで滑れるのかを疑うくらいでした。ストレッチをしていた彼女と目が合い、彼女はニコッと笑ってすぐに頭を下げました。少しシャイな性格なのかと思いましたが、スピードスケートについて語り始めるとその眼差しは一転して目に自信があふれました。ハルビンでの滑りの調子はどうかと尋ねたところ、「ユニバに合わせて来た」としっかりした答えが返ってきました。
開会式の翌日の19日に今大会第1個めの金メダルがかかったスピードスケート女子500mの競技が行われました。小平選手もこれに出場。結果は韓国の李相花選手がユニバ大会記録を更新して優勝、小平選手は表彰台に届かず5位に終わりました。500mは小平選手の大得意な種目ではありませんが、小平選手を良く知るスピードスケート関係者によりますと、小平選手の能力は完全に発揮されていないとのことでした。この言葉を証明するかのように、続く女子1500mで小平選手は1分59秒03で自己ベストとユニバ大会記録を更新して堂々の優勝です。その日、記者会見の席で小平選手は「ジン テン ヲー ヘン ガォ シン(今日はとてもうれしいです)」と自身の中国語をたくさんの記者の前で披露しました。
小平選手はワールドカップ日本代表に選出されてから世界各地で競技を行って、その過程でたくさんの外国のスケート友達と交流を深めてきました。張爽選手を始め、中国にも数人の友達がいるとのことです。小平選手は、中国語を彼女たちから教わったと話していました。
今大学4年の小平選手は、卒業論文を書き終えてスピードに励む毎日を送っています。結城コーチの話によりますと、小平選手は卒業後プロの道を歩むとのことです。(取材:黄恂恂)
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