親に「福州に戻ってこい」と言われる

久しぶりにいただいた魚の団子や御餅

　私は5ヶ月ぶりに故郷の福州に帰って、うれしかったです。去年8月アモイ大学を卒業して、北京で就職しました。親は私よりずっとうれしい様子でした。

　ちょっと残念なのは、事情で大晦日に間に合わず、親と一緒に大晦日を過ごすことができなかったことです。家についたのは旧暦のお正月3日でしたが、親は私の好きな御餅とか魚の団子とかを用意してくれていて、私はいっぱいいただきました。「肉燕」は、実は私は好きではありません。親はこのことを知っているので、自分が帰るまでに、全部食べてくれました。 
 

肉燕	「肉燕」皮	魚の団子

　御餅は家ではスーパーで買ったものをいただきました。真空バックに入れられ、四角に作られています。食べ方はシンプルで、蒸して食べます。柔らかくなって、甘いものもあるし、塩味のものもあるし、野菜が混ざっているものもあります。とてもおいしいです。中国の御餅は日本のようにスープに入れたり、麺類に入れたりしません。

　写真に写っている御餅の、赤みのあるほうは黒砂糖で作られたもので、真っ白なほうは白砂糖を入れたものです。ところどころ黒いもののあるのは野菜や塩を混ぜたものです。

私のことを心配してくれる親

　一家そろっていろいろ話しあいました。私は自分の仕事ぶりや会社の人間関係、残業などを親に報告しました。私の話を聞いた親は、「そんなに苦労しているの。大変だ。つらいんじゃない」と意外な表情を見せました。それから、「たった5ヶ月離れただけなのに、こんなに痩せてしまって、大丈夫？」とすごく心配してくれて、「福州に帰って仕事しない」とも勧めてくれました。

のんびりしている福州にいる友人たち

　高校のクラスメートたちはほとんど福州で働いています。残業はぜんぜんないし、職場も家の近くにあります。北京のように、通勤時間が1時間、２時間ぐらいかかることはありません。

　さらに、最もうらやましいことは、炊事やお掃除などは自分でやる必要がないことです。親と一緒に住んでいるので、全部親にやってもらっています。

　私は一人で北京で暮らしているし、親戚もいないので、頼る人がいなく、家の中の仕事が大変です。それに残業も多いので、夕食はほとんで家で食べられず、外食で済ませています。疲れて食べないで寝てしまうときもよくあります。クラスメートたちがこんなにのんびりしているなんて、うらやましいです。

高校の先生に年始周りをする

　地元の慣わしに従って、旧正月の5日に母校の高校に戻って、各科目を担当してくれた先生たちに新年の挨拶をしてきました。
 

　今年うちのクラスはそんに集まらず、10人ぐらいしか来ていませんでした。先生と一緒に、仕事のことなどについて話し合いました。先生は相変わらずお元気で、親切でいらっしゃいました。

　高校時代に学校の音楽の部活に参加していた卒業生たちは、オーケストラを演奏して、雰囲気を盛り上げました。

　今もビルに書かれている「格物致知」という四文字は母校の教訓で、「一生懸命勉強して、知識を身につけよう」という意味です。

歴史のある町が改修される

　福州には唐の時代からの旧市街地が残されています。当時の建築物とか、名所とかがいっぱいあります。そして、ここは革命家、思想家、科学者、小説家など、中国の歴史に残る人物を育てきました。たとえば、西洋の近代思想を積極的に取り入れた翻訳家の厳復、辛亥革命の革命家林覚民、作家氷心、数学家の陳景潤などたくさんいます。

　この街の家並みは古くなったので、市政府は春節を前に修復しました。これからここは観光スポットになるのではないかと思います。

気候が穏やかで　緑がいっぱい

　北京は今の時期でも夜は零下10度ぐらいに冷え込んだりしますが、福州はぜんぜん寒くなく、昼間は10度ぐらいで、暖かいです。

　空気が新鮮で緑もいっぱいです。旅行に適した土地です。春節の期間中、周りの町からの観光客が大勢集まり、台湾からの観光客もよく見えました。

光禄坊

福州の町　ちょうちんを飾る

　故郷に戻っている期間中、町ではちょうちん展が始まっていました。多くの店ではちょうちんがいっぱい飾られていて、見物のお客さんでにぎわっていました。ちょうちんの色はいろいろありますが、赤とかピンクといっためでたい色が最も多いです。
　　　

私は、今も故郷が恋しい

　北京に戻って仕事が始まりましたが、今はまだ家にいる時の気分が抜けません。中国人にとってやはり「家」は恋しいものだと思います。