北京の春節
北京は長い歴史を持っているが、急速に未来に向かって発展している国際都市です。その特色の一つは高層ビルと胡同が共存している光景だと思います。ここには各地から多くの人材が集まっているので、北京の文化は多くの地域や民族との交流の中で育まれた融合文化です。だから春節の風俗もとても豊富です。社会の発展につれて、人々のライフスタイルがだんだん変わってきました。それにより、春節の過ごし方は前よりもっとおもしろくて、ユニークになったと思います。
春節の仕来たりが多い
春節は中国で一番大切にされている祝日だから、人々は大晦日を迎える前に家をきれいに掃除します。でも、春節期間中は掃除しません。なぜかというと、その年の幸運や財運までもはき捨ててしまうと考えますから。そして、お皿を割ったり、ハサミなど尖っているものを使うのも良くないとされています。
旧暦1月30日になると、赤い切紙や灯篭を家の周りに飾ります。新年を迎える夜に大きな声を立てるようにします。夜8時頃から外では爆竹の音が聞こえ、零時が近つくとうるさいくらいに花火や爆竹の音が鳴って、2時ごろまたそれが続つきます。
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北京の伝統的な民家(四合院) |
春節の花火 |
その日の夜に、みんな徹夜で寝ないで年明けを迎える習慣があり、これは北京で「守歳」と言われます。若い人が守歳したら両親は長寿になるという説もあります。普段、大人たちはに揃って、マージャンをします。子供たちが遊び戯れたり、わらったりしてとても賑やかです。と言っても、2時頃みんな眠たくてたまらないため、やはり寝てしまうのが実際です。
次の日には、親友あるいはよる世話になった方の家を訪れ、新年のあいさつをしたり、廟会へ行ったりします。人々は活気にあふれた雰囲気に包まれて新春の楽しみを味わうのです。
年越し料理
北京料理は昔の宮廷料理の影響を受けています。特に春節の年越し料理はかなり豊富です。そして、地域環境(夏は暑く冬は寒い)の原因で、味付けが濃くて塩辛いのが特徴です。料理は主として肉料理で、前菜とメイン料理と野菜料理があります。ハム、牛肉スライス、広東ソーセージを使ったのは前菜です。メイン料理というものは牛のしっぽを材料とするスープ、骨付き酢豚、豚足のやわらか煮、栗と鶏肉のあんかけなどです。ここから、北京人の見栄えを重んずって、生活を楽しむことを考えがわかります。魚は「富裕」の象徴です。同じように、鶏の中国語の発音は「ji」で、栗は「li」と呼ばれています。一緒になると「大吉大利」、つまり、縁起がいいという意味になります。
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お正月料理 |
若鶏と栗のあんかけ |
大晦日にみんな餃子を食べます。真夜中になると餃子を作り始めます。中身は海老とニラ、肉と白菜とかいろいろです。餃子作り際、餡の中にお金 (コイン) を入れ、当たった人は「来年1年、お金に恵まれる」というような意味があるのです。
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ギョウ―ザ |
一般的に家で年越し料理を作りますけど、今は家族みんながレストランで御馳走を楽しむ場合も多いです。ご承知のとおり、北京で一番有名な料理は北京ダックです。アヒルは餌を多く与えて育てられ、若いうちに食用にされます。蜂蜜と生姜を調味料としてたっぷり塗って、一度乾燥させてオーブンの火または炭火で焼きます。食べる時、スライスに切り分けられたお肉を、ネギや胡瓜と一緒に皮の上に置き、甘めのソースをつけて、くるくると巻いて食べます。実は、清の王朝時代、北京ダックは皮だけを食べる最高級の宮廷料理とされました。その時、ダックの肉を食べるのは身分の低い者とされていましたので、今でも正式なマナーを守った中華料理店では、大切なお客様に肉を出しません。年越しには家で自分で料理を用意してもいいし、外食してもいい。とにかく、このような祝日は必ず一家団らんで過ごします。
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炭火の上に焼いている北京ダック |
北京ダック |
北京ダックの老舗(全聚徳) |
北京の廟会文化
お正月の時、一年に一度、市内各地で廟会が開催されます。その中「地壇公園」「東岳廟」「廠甸」「白雲観」など場所で行われる廟会がとても人気があります。廟会の本来的な意義は、宗教活動のため、神仏に対する祭りを行うことです。つまり、日本での「縁日」に近いものといえます。でも、社会の発展につれて、廟会は商業活動や、娯楽文化の方に重点が置かれるように変わってきました。廟会では雑技、獅子舞、民族舞踊などの民間芸能が鑑賞できる上に、食べ物の屋台なども並び、各種の伝統軽食が出ています。甘酸っぱいサンザシ串、やわらかい豌豆羊羹、ハスの実入り八宝粥は子供時代の記憶を呼び覚します。お正月になると、必ず家族と一緒に廟会でぶらぶらしました。その活気に溢れて賑わっている雰囲気が大好きなので、今でも人ごみの中に挟まれてギョロギョロ見ながら歩くのが大好きです。
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サンザシ串 |
豌豆の羊羹 |
蓮の実入れ八宝粥 |
私はよく訪れたのは北京での地壇公園で行われる廟会です。そこでは相対的に高い芸術センスと濃い民俗特色が感じられるといわれます。東岳廟のほうがお神様の像が多くあって、廟内の枠などに名前と願い事の「福札」も結び付けられていますので、日本の神社と近い雰囲気があると感じます。それは伝統的なタイプです。今、「朝陽公園」での洋風廟会も大人気です。風情のある歌舞出演を鑑賞し、各国の特色料理も食欲を誘います。本当に異国情緒を楽しめるいい所です。
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地壇で行われる縁日 |
異国情緒に溢れる西洋風の縁日 |
前述したのは北京人にとって一般的な春節の過ごし方です。それ以外に、ありがたい連休期間のうちみんなが新春コンサートを聴きに行ったり、正月映画を見に行ったり、または両親と海外旅行しに行くなど精神食糧を補充する人もだんだん多くなってきました。でも、家族の団楽、健康と多幸への願いは永遠に変わることないテーマとなっています。
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