会員登録

スキー  北京の冬の新しい風物詩

2009-01-21 04:11:20     cri    

 スキーシーズン真っ只中!
 北京郊外の石京龍スキー場と懐北スキー場では1月15日~20日まで、昨年に続き、第2回日中友好スキー促進講習会が開かれました。
 北海道スキー連盟から派遣されたインストラクター計11名がボランティア講師をつとめ、中国のスキーインストラクターの指導技術のブラッシュアップを行いました。また、一週間のうち最もスキー客が多い土曜日(17日)に、去年なかった試みとして一般来場者向けのレッスンも行われました。なお、3月初めには、両スキー場のインストラクターや関係者20人が北海道を訪れ、講習を受ける予定です。

■「中国の実情に合致したものを取り入れたい」

 ウィンタースポーツとしてのスキーが北京に登場したのは1999年でした。中でも、石京龍スキー場は北京初、懐北スキー場も3番目に開業したスキー場として知られています。

 北京のスキー場はわずか10年未満の間に、急速に増えた後、今は13ヶ所となりました。しかし、スキー場の乱立により、今度は価格競争が激しくなりました。また、利用者数も急上昇を経て、最近、横ばいになってきたようです。

 こうした中、懐北スキー場の茹ヒン副総経理は日本との協力と交流に寄せる期待をこう語りました。

 「スキー産業は日本では長年の歴史があり、スキー場の運営や資格認定などにおいて、優れた経験を蓄積してきました。これらはいずれも中国が学ぶべきことです。ただし、当分、スキー場としてできることは、何よりもスキー愛好者を増やすことだと思います。そのため、インストラクターの技術とスキー場のサービスの向上が肝心なのです。日本との交流により、今の中国の実情に合ったやり方を取り入れたいです。」

■今冬のスキーシーズンは短め

 さて、関係者の話では、いつもは3ヶ月ほど続く北京のスキーシーズンが今年は例年よりも短く、2ヶ月半で終ります。今年は立春が早く、旧正月の春節(1月26日)が例年より早く訪れることが原因のようです。

 「祝祭日はスキー客が最も多く、春節の連休の最初の三日間が一番混雑すると予想しています。しかし、旧正月の15日を過ぎれば、気候が少しずつ暖かくなることもあり、スキー客はうんと減ります。」

 一方、シーズンが短くなった分、小中学校の冬休みも春節に合わせて早まったため、先週訪れた懐北スキー場では、昨年同期と比べて、平日の来場者が多かったようです。特に、子どもの姿が目立ちました。小学生向けのスキーキャンプもあれば、家族連れも多かったです。幼稚園生姿も多く見かけました。

 来場者数について、関係者の話では、懐北はここのところ、平日延べ400~500人、土曜日は延べ2400~2500人に達しているそうです。一方、2009年お正月連休の二日目には、「一度に4~5000人殺到し、レンタルスキーも足りず、やむを得ず1000人ほどチケットを払い戻しして、入場を断った」というハプニングもありました。
 ピーク時の接客能力がスキー場運営にとって大きな試練のようです。

  

 ■公共バスでもアクセスできる

 17日(土)朝8時半、スキー場のログハウスを出たとたん、玄関から聞こえるざわめき声に驚きました。スキーセンター前にはすでに長蛇の行列ができました。
 団体客の姿が目立ちました。会社主催の社員旅行、アウトドア・サイトが催した個人向けスキーツアー、家族連れなどなど。
 費用は、申し込みルートやツアー内容にもよりますが、日帰りの場合、一人あたり110~160元だそうです。
 懐北スキー場は市内から約70キロ。アクセスは、自家用車か主催元の手配したバスのほか、市内の東直門から長距離バス乗れば、約2時間でスキー場の玄関に到着します。正規運賃は12元ですが、ICカードを利用した場合は4.5元とたいへんお得です。バスで市内から便利にアクセスできることが北京のスキー場の特色ともいえます。

 

■初心者が多い

 さて、スキーは北京に登場して7~8年で、またたく間に愛好者数を増やしてきたウィンタースポーツです。では、スキー客の技術はどのようなものなのでしょうか。

 先週、スキー場で感じたことは、基本知識の普及と技術指導の大切さでした。

 まず、殺到した来場者で込み合っていた土曜日に、とりわけ混雑していたのは初級コースで、中級や高級コースは比較的空いていました。初心者が依然として多いことが分かりました。

 しかし、中級コースに上ったものの、コントロールできず、頂上から直下降して下りてくる人たちの姿もときおり目につきます。中級コースの麓あたりは、とりわけ「危ない」場所で、まったく予想だにしない「爆弾」が突然飛んでくるからかもしれないからです。この「爆弾」は、ターンや止まることもできないまま中級コースに立ち、絶叫をしながら一直線に降りてくる人たちです。

 一方、中級コースに行くリフトの乗り場に、「初心者立ち入り禁止」と大きな看板が掲げてありました。それでも時々、大胆にチャレンジしようとする若者たちがいるようです。

 「中級なんて、もう何度も滑ってきたのよ。何故入れさせてくれない?」

 「何度も体験している方なら、さっきのような失敗は考えられません。どうぞ初級コースへ戻ってください」

 時々、こうしたやり取りも見られました。リフトの乗り場に来るまでの利用客のレベルを何気なくチェックすることも、スタッフの仕事でもあるようです。

 ちなみに、副総経理の茹さんの話では、懐北の年間延べ来場者は6万人で、その中の約7000人しかスキー学校に入っていません。インストラクターについてレッスンをする客は全体の12%ほどで、基礎知識も何もないまま、ゲレンデに立つ人も多いようです。

増えつつあるスキーファン

 一方、エレガントに斜面をすべり降りていくスキー客も確実に増えています。スキーキャンプに通っている子どもたちが大人になった時の様子も楽しみですが、現在でも、自家用車に自前のスキー道具を積んでやってくる常連さんの姿が数多く見られます。

 北京の日系企業に務めている呉雪松さんもその一人です。呉さんは現在、登録者数が百人を超す「北京スキーの会」の会員でもあります。11月中旬、華北平野でスキーシーズンが始まると、呉さんは仲間たちと月平均4回、北京及び周辺のスキー場に通っています。そして、「去年の春節は北海道のスキーツアーをしましたが、今年は野沢に行く予定です」。仲間たちとの訪日準備を順調に進めているようです。

■冬の新しい風物詩

 中国では、今年の春節大型連休は1月25日から始まります。例年と同じように今年も旧正月の1日~3日は、どこのスキー場もスキー客で押し合いへし合いになる見込みです。来場者数にばらつきが大きいスキー場にとって、一番の稼ぎ時がやってきます。

 春節はスキーをして過ごすというのは、最近の動きです。先日、新聞をめくると、「旧正月中のムード作りに、伝統的な龍灯踊りをスキー場に招いた」ニュースを見ました。北京の新しい風物詩になりつつあるスキーに、今度は伝統的な色彩もいくらか融合されるようになりました。

 ちなみに、北京のスキーシーズンは2月下旬までですが、北京から240キロほど離れた河北省崇礼県では、人工と天然の混じった雪で、3月いっぱいまでスキーを楽しむことができるようです。

■ 関連リンク

【石京龍スキー場】http://www.sjlski.com/
【懐北スキー場】http://www.hbski.com/
【万龍スキー場】http://www.wlski.com/
【北京滑雪網】http://www.beijingski.com

■懐北スキー場の景色、万里の長城を眺めながらスキーができる

                                     (王小燕)

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS