競技2日目のサッカーのチケットが手に入り、8月10日は再び天津へ向かいました。
今回の相手はナイジェリア。前回のアメリカ戦は悔しい負け方をしたので、今日は勝って欲しいと思いながら、スタジアムに行きました。
スタジアム周辺には前回以上に日本人サポーターの数も多く見かけ、みんな気合が入り、必勝体制といった感じです。開始前の国旗の入場と国歌の斉唱でオリンピックという国際大会のムードが一気に高まります。今回の天津でのサッカー試合は1日に2試合あり、1枚のチケットで2試合見られることになっていました。スタンドの観衆はほとんどが中国人ですが、ヨーロッパのサッカーをテレビで見ている人が多いようで、第二試合のオランダ対アメリカ戦を目当てに第一試合から来ている人も多く、観客の中にはオランダのチームカラー、オレンジ色のシャツを着た集団も目立ちます。
いよいよ試合が始まりました。今回の席はゴールの左後方で、遠くですが全体の動きが良く見えます。ゲームが始まってすぐに感じたことは、ナイジェリア選手の個々の身体能力が非常に高いということで、いざという時のスピードが圧倒的に違うという感じがしました。そんな中でも日本チームは前半から組織的に動き、互角の戦いだったと思います。
後半に入り、ナイジェリアに一瞬の隙をつかれていい形を作られ先取点を奪われました。スタンドはものすごい歓声で、ナイジェリア人は客席には数えるほどと思いましたが、観客の中国人の多くはナイジェリアびいきのように感じました。そのうちに、雷が鳴って雨が落ちてきました。雨足は強くグランドコンディションも心配になってきました。
その後、ナイジェリアに追加点を奪われ、また大きな歓声があがり、スタンドは終盤に入り騒然となってきましたが、その中で日本も反撃のゴールを決め、追い上げます。日本のゴールにも大きな歓声があがりました。
そして、日本の反撃もむなしく試合終了。男子サッカーは予選敗退が決まる、残念な結果に終わりました。しかし、まだあと一試合ありますので、勝利を目指してぜひがんばって欲しいと思います。
私たちは日本戦終了後そのまま残り、第二試合のオランダ対アメリカ戦を前半だけ見ることにしました。私はこの試合を見ながら、応援の違いを感じました。スタンドに陣取ったオレンジの集団が起点になり、スタンドでは大きなウエーブが起こり、試合以上にスタンドが盛り上がります。また、「オランダ」「U・S・A」の連呼もスタンド全体まで巻き込むような大きなものでした。第二試合は少しオランダびいきの感じもしましたが、アメリカにも多くの声援が飛んでいました。いずれにせよ、スタンドの一体感は第一試合をはるかに超えたものでした。
第一試合から降り始めた雨は、2試合目の始まる前までとても激しく降り、グランドコンディションが心配になりましたが、2試合目の選手達の動きを見ると、それほどぬかるんでいるようにも見えず、天津サッカースタジアムの水はけのよさは素晴らしいものだと感心しました。また同時に、悪コンディションの中でも平然と試合を進めているオランダ、アメリカの選手達のボディーバランスの良さを感じました。
私たちはその日のうちに北京に帰らねばならないので、第二試合の前半だけ見て帰りましたが、2試合観戦できたことで、予選グループ各チームの実力がわかり、中国人の観客の参加国に対する見方や応援の仕方の違いも肌で感じることができ、とてもいい経験になりました。
【プロフィール】
1957年生まれ 早稲田大学教育学部卒 筑波大学体育研究科大学院修士課程修了 専門スポーツは陸上競技 早稲田大学本庄高等学院 教諭 早稲田大学スポーツ科学部講師 2008年4月ー2009年3月 早稲田大学から北京大学への交換研究員
|