今週末、大阪で開かれる陸上国際グランプリ大会の最大の注目選手といえば、男子110mハードルに出場する「アジアの昇り龍」こと、劉翔を挙げないわけにはいかないでしょう。
4年前のアテネ五輪でアジアから初のトラック競技優勝を果たし、また2006年のローザンヌ国際大会で世界記録を更新したこの「ビッグスター」は、今、北京五輪に向けて追い込みのトレーニングに入っています。大阪グランプリの後、22日には北京での五輪テスト大会に、31日にはニューヨークグランプリに出場し、レースを重ねることで本番に備えます。
大阪への出発前、劉翔選手は記者に対し、110mハードルや北京五輪にかける思いを語りました。
Q(記者):いよいよ今シーズン初の室外での大会(大阪グランプリ)だが、いまの気持ちは?
A(劉翔):大阪は何回も行っていますから、とても親しみを感じるところです。とくに市民のゆったりとした暮らしぶりがすごく気に入っているんです。実は今回大阪に行って、子供のころ見ていたアニメ「トランスフォーマー」の玩具をぜひ買いたいと思っているんです。去年は時間がなかったので…。
Q:大阪でのレースについては?
A:ここ1ヶ月余りのトレーニングから久々のレースなので、一気に全てを出すのではなく、北京五輪まで徐々にペースを上げていくようにしたいと思います。ですから、大阪では特に記録にこだわるつもりはありません。
Q:北京五輪に向けた準備については?
A:特に準備はしていないんですが、要するに朝何時に起き、夜何時にベッドにつくというのをきちんと守って、あとはケガをしないよう気をつけることだろうと思います。
Q:毎日、早朝からトレーニングをする、など我々からすると、とても大変に思えることが数多くありますが、それを長くやり続けていく気持ちを支えるものは何ですか?
A:朝早く起きるのは、お腹が空くからです(笑)。朝ごはんを食べる、これは第一の信念!あと、朝寝をしたら一日中眠気がとれないじゃないですか。ですから、毎日早起きしています。実は、走るとき、一つ一つのハードルを飛び越えていく感じがとても好きなんです。そういう達成感が、練習をつづける原動力になって、つねに刺激を与えてくれているんじゃないかなと思いますね。
Q:決勝の前夜、どんなことを考えますか?
A:何も考えないです。次の日、元気いっぱいに戦うため、十分睡眠をとることが大事です。
Q:コーチの孫海平さんは、北京五輪では12秒90あたりを出さないと優勝は難しいといいましたが、ならば、もう少しで、新たな世界記録がでるかもしれませんね。
A:いまの記録(12秒88)、もう十分速いと思いますよ。こんな短い時間、1本のバナナを食べるか一杯の水を飲むしかできないですね。
Q:劉翔さんを応援する方々にメッセージをお願いします。
A:現場に来てください。声を出さずに黙って応援してくれてもかまいません。みなさんから、少しでも「好運」をいただきたいと思います。
Q:8月に開かれる北京五輪について、目標はありますか?
A:世界記録を破れるかどうかは別として、強い選手と一緒に走りたいです。僕は、どちらかというと強力な相手がいるほど闘志がわいてくるんです。ベストを尽くして勝ちます!
プロフィール
誕生日:1983年7月13日
出身:上海
身長:189センチ
体重:74キロ
主なタイトル:
2001年5月 東アジア選手権大阪大会 優勝
2001年8月 ユニバーシアード大会 個人初の世界チャンピオン
2002年7月 IAAFローザンヌGP 2位だが世界ユース記録を更新
2002年10月 釜山アジア大会 優勝
2004年8月 アテネ五輪 アジア人初の優勝で五輪記録を更新
2006年7月 スーパーGPローザンヌ大会 優勝し世界記録更新
2007年8月 世界選手権大阪大会 優勝
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