「程菲跳び」。女子体操の跳馬で難易度の最も高い技であり、初めて中国人選手の名がついた技でもあります。この「生みの親」中国女子代表エースの程菲選手は今、北京五輪に向けて、トレーニングを重ねています。先週、中国国家チームの内部選考会で跳馬とゆかの2種目で優勝し、来月、北京五輪の選考会を兼ねた全国選手権に臨みます。
身長150センチと小柄ながら、跳馬の「程菲跳び」を生んだ「小さな」世界王者が自国で開催されるオリンピックで中国女子を引っ張り、個人としても初の五輪金メダルを目指します。
程菲は、1988年、中国湖北省の生まれ。7歳のとき、地元のスポーツ学校で体操の練習を始め、6年後の2001年、13歳で国家代表になりました。
国家代表として北京に来た当初から、彼女は練習に没頭しました。
「コーチから終了の指示がないと何時までも練習を続けなければならなかった。ある日、コーチが指示を忘れていった。それを知らない私が、一人で跳んだり回転したり、遅くまでずっと練習していた」(程菲)
昼夜を問わず練習に励んだ甲斐あって、2004年、アテネで初めて五輪の舞台に上がりました。しかし、得意の跳馬はミスを犯し、予選で敗退しました。初の五輪出場で好成績をあげることができませんでしたが、試合に臨むとき、少し眉根をひそめ、「よし!やるぞ」と真剣なまなざしで向かう様子が印象深い選手でした。床上に立つその小さな体の中には、未知の大きな力が潜んでいると感じさせました。
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あの「真剣なまなざし」 |
程菲跳び |
そんな真剣勝負の心と人一倍の努力が、ついに花開きました。
2005年、メルボルンで開催された世界選手権。ここで前代未聞の跳び方を見せ、世界を驚かせたのです。後ろ向きに踏み切って180度回転したら跳馬に手をつけ、その後、体を540度回転させて着地するという至難の技です。「程菲跳び」と、女子跳馬で中国人選手の名前がついた初の技が誕生しました。これによって、中国人初の跳馬優勝を成し遂げました。
あれから3年、まもなく北京五輪の本場を迎えます。あの「真剣なまなざし」と跳馬のウルトラ技を活かして、中国の女子代表を「金色のメダル」に引っ張っていってくれるのを楽しみにしています。(鵬)
主なタイトル:
2003年アジア選手権 団体、跳馬とゆかで優勝
2005年東アジア選手権 ゆか優勝
2005年世界選手権 跳馬優勝
2006年世界選手権 跳馬とゆかで優勝
2006年アジア大会 団体、跳馬とゆかで優勝
2007年世界選手権 跳馬優勝
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